天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬

 「フランダースの犬」のネロとパトラッシュは天国に召されるはずだったが、怨みを抱き地獄に趣く。世界征服をもくろむ組織はそれを利用しようとするが、バカボンのパパがひたむきなバカで立ち向かう。
 と言う設定であるが、ネロはそのままイノセントであり、バカボンとのからみも実にストイック。パパも突き進む様はそのままに善良さが前面に出ている。なので、設定はハチャメチャであるが脚本は意外に常識的なお話にまとまっている。
 官僚である神田さんの献身的な姿勢に心打たれたりする。プロフェッショナルの流儀を体現しているのだ。バカボンのママは理想的なママ。それら常識人に支えられパパはバカを貫ける。これでいいのだ。
 「天才バカボン」「フランダースの犬」、共通点はテーマ音楽の作曲者が渡辺岳夫である点。偉人の上になりたつ存外まっとうなアニメーションである。

天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬

映画「けいおん!」

 テレビアニメ「けいおん!」の第2期の流れをくむ映画。テレビシリーズ同様、京都アニメーションの山田尚子が監督をつとめる2011年公開作品。
 軽音部の4人は卒業旅行に行くことを決め、紆余曲折の末ロンドンに行くことになる。後輩の梓も加え、海外に旅立つ。
 京都アニメーションのやわらかな作画が心地良く作品にひたらせてくれる。特に、ロンドンの描写は秀逸で、細部まで丁寧に描かれており素晴らしい。
 ゆったりとした時と青春のきらめきを共に感じさせてくれる良作。

映画「けいおん!」【TBSオンデマンド】

薬師丸ひろ子 時の扉

 「浜辺の歌」「椰子の実」など、薬師丸ひろ子が女優35周年記念として自らセレクトしたカヴァー・アルバム。
 温かみのあるやわらかい歌声が心地よい。バックの演奏もよく、「仰げば尊し」などもポピュラーのように聞こえる。
 「黄昏のビギン」などノスタルジアを感じる曲もいい。
 はっとさせられたのは、「セーラー服と機関銃」。マンドリン、ウッドベース、ドラムというシンプルなバックで歌われ、ジャズの趣もあり新鮮な魅力を放っていた。
 時を超えて生きる音楽を丁寧にひたむきに紡ぐアルバム。

薬師丸ひろ子セレクション・カバーアルバム 時の扉

タリスク ビヨンド

 スコットランドの3人組バンド、タリスクのCD「ビヨンド」を聴く。フィドル、ギター、コンサーティーナで躍動感溢れる音楽が展開される。
 特に、小型の蛇腹楽器、コンサーティーナの演奏が素晴らしい。緩急自在にメロディとリズムを紡いで行く。弦との掛け合いがスリリングに楽しく演じられる。
 爽やかな風のようなアンサンブルが心地良いアルバム。

ビヨンド

時をかける少女

 原田知世初主演の角川映画。筒井康隆原作、1983年公開の大林宣彦監督作品。尾道の情景を生かしながら、明朗快活な少女をめぐる不思議な体験を描く。
 原田知世がイノセントな魅力を全編にわたり放っている。エンディングのプロモーション・ビデオ的な映像も当時は新鮮であった。抑圧的な演技が解き放たれた昇華的な意味合いもあり、後味の良さをかもす。
 様々な思い入れが交錯する、アイドル映画のエポック・メイキング的な作品。

時をかける少女

ザ・角川映画スペシャル

 「犬神家の一族」のテーマ曲「愛のバラード」に始まり、角川映画の音楽が収録された2枚組のCD。「人間の証明」「蘇る金狼」など初期作品のテーマ曲が懐かしい。
 「セーラー服と機関銃」「時をかける少女」など、アイドル路線の音楽も印象に残るものが多い。
 メディアミックスを推し進めた角川映画は、音楽にも抜群のセンスが発揮されている。

40周年記念コンピレーション ザ・角川映画スペシャル

ピヤノアキコ。

 矢野顕子がピアノを弾き歌うアルバムのベスト盤。
 なんて生き生きとした演奏なんだろう。自由闊達なピアノの音と軽やかな歌が舞い踊る。

ピヤノアキコ。~the best of solo piano songs~ (SACD-Hybrid)

山崎まさよし HOME

 名曲「One more time,One more chance」を含む山崎まさよしの3枚目のアルバム。グルーヴィーな曲からしっとりとした歌いまで、ヴァラエティに富んだ作品が収録されている。
 ギターの演奏と歌が絶妙の音楽空間を生み出すアルバム。

HOME

琥珀色の時間

 サントリーウィスキーのCM音楽を集めたCD「琥珀色の時間」
 オールドのCMで使われた「夜がくる」の口笛ヴァージョンから始まる。
 ウィスキーをつぎ、からりと氷がグラスにあたる音、それに続き石川さゆりが歌う「ウィスキーが、お好きでしょ」
 ゆったりと流れる時間をおもわせる。
 朝、通勤途中に車で聴いたらすぐ家に戻りたくなった。夜の曲である。朝聴いてはいけないのである。
 くつろぎのひとときを与えてくれるオトナのアルバム。  

琥珀色の時間~THE COLLECTION OF SUNTORY WHISKY CM~

ムジカ・ピッコリーノ アポロンファイブの挑戦

NHKの音楽番組「ムジカ・ピッコリーノ」のシーズン5で演奏された曲を集めたCD。
 「学園天国」「天国と地獄」「ゴッドファーザー」「あんたがたどこさ」「ラブ・ストーリーは突然に」「スリラー」「テイクファイブ」「威風堂々」など、扱う音楽の多彩さには驚く。演奏もアンサンブルの楽しさに溢れている。

ムジカ・ピッコリーノ アポロンファイブの挑戦

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