親鸞(上)
浄土真宗の開祖とされる親鸞の半生を描く五木寛之の小説。
宗教をめぐる話ではあるが、五木氏の軽やかな文体とストーリー・テリングですらすら読める。仏教説話というより、平安末期から鎌倉初期を舞台にした活劇という雰囲気がある。
親鸞(上) (講談社文庫)
五木 寛之
浄土真宗の開祖とされる親鸞の半生を描く五木寛之の小説。
宗教をめぐる話ではあるが、五木氏の軽やかな文体とストーリー・テリングですらすら読める。仏教説話というより、平安末期から鎌倉初期を舞台にした活劇という雰囲気がある。
親鸞(上) (講談社文庫)
五木 寛之
「問題外科」は、筒井康隆の短編小説。ことのは出版で朗読のCDが出ているが、あまりに過激な内容で唖然とする。毒のように体の奥に沈殿する恐ろしいCD。
岸田今日子が自作した小説を、自ら朗読したCD。ちょっぴりこわく、大人の味わいがある作品集。
不思議な空気がある話で、最後の「おにいちゃん」は、朗読の凄みすら感じられる。
「火宅の人」などで知られる檀一雄のエッセイを、娘の檀ふみが朗読したCDを聴く。
家族を描いたエッセイを、檀ふみが抑制の効いた声で読む。自らと父に関わる部分も多く、思うところは様々あろうが、それでも感情のふれを表さずに語る様からは、プロ意識と同時に父親に対する誇らしさも感じられる。
日本語学校で学ぶ外人と奮闘する先生の姿を描くコミック「日本人の知らない日本語」。シリーズ第3弾となるが、そのパワーは衰えない。
「敬語」や「キャラクターと言葉」など、章ごとにテーマを設け、日本語の難しさと奥深さを爆笑のうちに感じさてくれる。
言葉を通して文化の相違を爽やかに描く好エッセイ、ひとまず完結。
日本人の知らない日本語3 祝! 卒業編
蛇蔵 海野凪子
「茄子」「セクシーボイスアンドロボ」などで知られる漫画家、黒田硫黄による映画レビュー本。1998年~2003年に公開された映画61本の批評が、黒田硫黄の漫画と共に記されている。
独特の視点を持ったスパイスの利いたコメントと、おじさんゴコロをくすぐる絵柄で楽しませてくれる。触れられた映画をつい見たくなってしまうのは、根っからの映画ファンとしてのハートが伝わるためか。
この本で、あらためて黒田漫画の魅力を実感。
映画に毛が3本! (KCピース)
黒田 硫黄
藤沢周平の「逃走」を笹野高史が朗読したCDを聴く。泥棒家業の小間物屋を主人公にすえたユーモアのある作品だが、底にはしっとりとした叙情をたたえている。
笹野高史の朗読は、ふわりと滑稽味を醸す絶妙の語り。
「人類に新たな力を与える、人類を前に進める、人類に適切なツールを提供するということを、あの人は心の底から大事にしています」
「スティーブ・ジョブズ II」で描かれるのは、一旦はアップル社から追放されたものの、請われて復帰し、アップルを世界有数の企業に成長させる後半生。ジョブズは、iPhone、iPadと言った革新的な製品を生み出し、デジタル業界に世界的な波を作り出す。
マイクロソフト社のビル・ゲイツとの確執、音楽ビジネスの新たな展開、癌との闘い。多くの障害を乗り越え、人類規模の画期的な製品を生み出すエネルギーには圧倒される。
人文科学と技術の交差点を常に見据え、禅の思想に傾倒し製品のシンプルさに反映させる。全精力を製品とシステムに傾ける姿勢が、その製品とシステムのデザインで他社を大きくリードする会社に育て上げた。
ジョブズを支え続けた妻ローリーンが語る冒頭の言葉は、ジョブズの生涯を端的に言い表している。
最後まで時代を切り開き続けたスティーブ・ジョブズを、多くの人々へのインタビューから鮮やかに浮き上がらせる感動の伝記。
スティーブ・ジョブズ II
ウォルター・アイザックソン 井口 耕二
「洗練を突きつめると簡潔になる」
カラフルなリンゴの模様をつけたコンピュータ”Apple II”、その丸みを帯びたデザインを眼にしたときには、コンピュータの世界に新しい風が吹いてくるような爽やかな感じがしたことを思い出す。1970年代後半から1980年代は、パーソナル・コンピュータの世界に次々と新しいものが生まれ、ぞくぞくするような楽しさを感じさせてくれる時代だった。
アップル、マッキントッシュ、リサ、Nextといったコンピュータを次々とプロデュースしたスティーブ・ジョブズ。徹底してデザインにこだわり、シリコン・バレーの風雲児として周囲に良くも悪くも多大な影響を与えた人物。
その生い立ちから、時代を駆け抜けた生涯を、膨大なインタビューを元に描き出す評伝「スティーブ・ジョブズ」。
ヴィヴィッドなパーソナル・コンピュータの黎明・勃興期とも重なる前半生は、鮮烈な面白さに満ちている。
スティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザックソン 井口 耕二
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