平清盛 2
NHK大河ドラマ「平清盛」第2回は、「無頼の高平太」。出自に悩む主人公を松山ケンイチが青春の悩みを叫びながら疾駆する回。伊東四朗、中井貴一が主人公の若さを威圧する存在感で、その対比が興味深かった。
平安の世を活気ある映像できれい事でなく表現する様に、作り手の意志を感じて好感がもてる。どこぞの知事の戯れ言などどうでもいいから、確固たる信念をもってドラマを創り続けて欲しい。
NHK大河ドラマ「平清盛」第2回は、「無頼の高平太」。出自に悩む主人公を松山ケンイチが青春の悩みを叫びながら疾駆する回。伊東四朗、中井貴一が主人公の若さを威圧する存在感で、その対比が興味深かった。
平安の世を活気ある映像できれい事でなく表現する様に、作り手の意志を感じて好感がもてる。どこぞの知事の戯れ言などどうでもいいから、確固たる信念をもってドラマを創り続けて欲しい。
「ヒストリエ」第4巻では、訪れた村で主人公が才能を発揮する。古代ギリシャ世界をドラマチックに活写し、無類の面白さをもった巻。
古代ギリシャを舞台にした岩明均の漫画「ヒストリエ」。3巻では、境遇が変化した主人公が運命の渦に巻き込まれる。急展開を告げる第3巻。
開高健の小説「パニック」を、橋爪功が朗読したCD。原作は、野ネズミの大量発生と対峙する役人の姿を描いた開高健のデビュー作。自然の鮮烈な描写と行政に対するシニカルな表現が対比をなし、卓越した文体で人間のさがを浮き上がらせる。
橋爪功が人物を見事に語り分け、濃密な物語に奥行きを与えている。
パニック (新潮CD)
開高 健
東野圭吾の小説「白夜行」を堀北真希が主演した映画。 原作の雰囲気を大事にしているが、やはり長大な原作を描ききるには時間が足りなかった感が否めない。
船越英一郎、田中哲司などがいい味をだしているが、やはり子役が素晴らしい。
白夜行 [DVD]
深川栄洋
NHK大河ドラマ「平清盛」第1回は「ふたりの父」。中井貴一はじめ、役者がそれぞれ持ち味を発揮している。特に、伊東四朗演じる白河法皇の存在感がすごい。
人物造形をくっきりとし、またきれい事でない残酷なシーンもあり、制作する側が作りたいものを明確に持っているように感じる。視聴者にいたずらに媚びず、骨太なドラマにしようという姿勢は、昨年の大河があまりにひどかっただけに好感できる。
今後の勢いと、重厚な展開に期待したい。
E=mc2、シンプルでありながら、何と奥深い式であろうか。
科学雑誌「Nweton」の別冊「アインシュタインの世界一有名な式E=mc2」では、エネルギーと質量を結ぶこの式の成り立ちと、導かれる過程、特殊相対性理論、核融合と核分裂などを美しい図と共に解説している。
物理学の根本に関わる「質量」や「素粒子」について解説しており、興味深い。さらに、本書では宇宙の「暗黒物質」までにも話題は広がる。
2011年12月に、実験によって垣間見られたことが話題になったヒッグス粒子にも触れられている。
E=mc2 に関わる驚異的な事実と謎をビジュアルに示し、知的好奇心を刺激する魅力的な書。
2012年、科学のロマンが、希望を与える光を投げかける年になってほしいと切に願う。
2011年、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」が完結し、放送されたことは日本映像界のエポックであった。日露戦争を重層的に描いた司馬遼太郎の原作を、松山出身の秋山好古、真之、松岡子規の3名を軸としたドラマとしてまとめ上げた。明治期の人々のひたむきで、傲らずに凛と生きる姿と、国家をあげて行った膨大な準備と苦労の末に得た勝利からは、政治や経済で混迷を続ける現代の日本に一条の希望を与えてくれた。
原作を改めて読み直し、感銘を新たにした。ことに、あとがきからは司馬遼太郎の思いが伝わり、感慨深かった。司馬遼太郎は40代のほとんど全てをこの小説のために費やした。膨大な資料の収集はもとより、当時を知る多くの人々から直接話を聴いた。ロシア語を学び、原典にあたってロシア側の状勢やバルチック艦隊の内情理解に努めた。準備に5年、執筆にさらに5年を費やし、ようやくこの労作は世に出たのである。
自らを振り返れば、40代最後を数えるこの年に、何を成しえただろうかと自問すれば、司馬遼太郎と比較するのがあまりに失礼だとすら思うほど矮小な事跡しか思い当たらない。素晴らしい作品には多く出会えたので、それを紹介する場を設け継続していることが自ら密かに誇れる唯一のことかもしれない。せめては、自らの感度を上げアンテナを掲げて良き作品を伝えることが、わずかながら自分にできることかと思う年末であった。
一朶の白い雲は青い天に今日もかがやいている。
坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
「ヒストリエ」第2巻では、少年エウメネスの鬼才と凛質が垣間見られる。岩明均の端正さと激烈さが交錯する絵により、奥行きのある物語が展開される。
2巻まで読み進んだら最後、もうその作品世界は読者の心の一部を明らかに占めてしまい、続きを読まずにはいられなくなるであろう。
古代ギリシャに題材をとった意欲作。
古代ギリシャ時代を舞台にした岩明均の漫画「ヒストリエ」。マケドニア王国のアレキサンドロス大王に仕えた書記官エウメネスを主人公とした物語である。
その少年時代を描いた第一巻から、著者の古代ギリシャ時代と人物に対する並々ならぬ思い入れが感じられる。泰然とした歩みを見せる冒頭であるが、その絵と語り口には、作品世界に引き込む強い力が感じられる。
著者入魂の歴史巨編。
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