大誘拐
天藤真の小説「大誘拐」は、ユーモア・ミステリーの嚆矢。若き3人組が、紀州名家の老女を誘拐し身代金を要求することを思いつく。うまくいったかに思えたが……。
意表の展開に満ち、サスペンスも満載。窮地に陥るがゆえに人々の本質が浮き彫りにされる。
読む喜びを与えてくれる大傑作。
天藤真の小説「大誘拐」は、ユーモア・ミステリーの嚆矢。若き3人組が、紀州名家の老女を誘拐し身代金を要求することを思いつく。うまくいったかに思えたが……。
意表の展開に満ち、サスペンスも満載。窮地に陥るがゆえに人々の本質が浮き彫りにされる。
読む喜びを与えてくれる大傑作。
NHK大河ドラマ「西郷どん」第11回は、「斉彬暗殺」。島津斉彬と井伊直弼の反目を分かりやすく描く。
行動も台詞もあまりにストレートで、含みというものがないドラマ。
「源氏物語」の幻の巻「藤壺」を瀬戸内寂聴が大胆に小説化した作品。若き光源氏と藤壺の初めての逢瀬を、臨場感豊かに描く。
篠井英介が朗読したNHKCDも、よく雰囲気がでており印象に残った。
藤壺 (講談社文庫)
瀬戸内 寂聴
NHK大河ドラマ「西郷どん」第10回は、「篤姫はどこへ」。幕末らしき時代を舞台としているが、身分制度ゼロ、セキュリティ・ゼロの世界で繰り広げられるコメディ。激動の時期であるはずだが切迫感ゼロ。純粋なコメディと割り切ったとしてもベタでチープな脚本。
背景の美術や舞台装置だけには凝っているが、歴史に向き合う気概のない脚本ではもったいない。こんなドラマを10話まで見てしまった。
新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」を原作とする日本映画。1977年公開の森谷司郎監督作品。明治35年、青森の連隊が雪中行軍の演習中に遭難した事件を基にしている。
高倉健、北大路欣也、丹波哲郎、三国連太郎、加山雄三、緒形拳など錚々たる俳優が競演している。過酷な雪中行軍の描写は圧巻で、寒さが背中を伝わってくるようである。
壮大なスケールで描く日本映画の名作。
NHK大河ドラマ「西郷どん」第9回は、「江戸のヒー様」。家族が別々の動きをしているため、夕食どきに集まるのは珍しい。そのため、録画した大河ドラマは、家族そろって見る唯一番組である。そのため、今回つまらなければ貴重な時間がもったいないので、見るのをやめようと思っていた。
今回は西郷が江戸に行き、井伊直弼、一橋慶喜、徳川斉昭などが登場したこともあり、いつもより時間が短く感じられた。「龍馬伝」でも、舞台が京都や長崎になった回は密度が濃かった。それに比べるほどではないが、いつものだらだらとした流れよりもよほど好かった。
相変わらず歴史に関しては説明不足の感はあるが、もう少し続きを見てもいいかと思った稀な回。
サイエンスライター竹内薫が、子どものための学校を作るために奮戦したノンフィクション。
まずは、AIと共存する来るべき世界のために、どんな教育が必要なのかを自らの体験を踏まえてて分かりやすく語っている。学校を作るために、文部科学省、内閣府、教育委員会などに通いつめ、その中のやりとりにはシステムとしての問題がにじみでている。
学校での具体的な取り組みが、教員の授業の様子を元に語られ、実に興味深く示唆に富む。共通するのは、それぞれ方法論をもちつつも、多様性と創造性を重視し、「子どもを潰さない」教育となっている点である。
日本が世界の趨勢についていくための具体例を提示した書。
子どもが主役の学校、作りました。
竹内 薫
宮部みゆきの「荒神」は、東北の小藩を舞台にした歴史小説。突然村が壊滅し、ひとりの少年が逃げ延びる。
ふたつの藩の確執を背景に、人々の素朴な暮らしを揺るがす危難を、多彩な人間模様を織りなしながら描く。パニック映画風のプロットであるが、中心は人々の関わりである。
謎の提示部分はなかなか良い。しかし、テレビドラマ化されると予告編などで物語の根幹をなす部分をいきなり見せてしまい読む楽しみを奪うので、困ったものだ。
荒神 (新潮文庫)
宮部 みゆき
アニメ「ポプテピピック」は、作り手のやり放題アニメ。ありとあらゆるサブカルチャーを貪欲に急襲し、メタモルフォーゼして発散する。
不条理ギャグの嚆矢「ポプテピピック」。4コマ漫画であるが、落ちがない。起承転結もない。2コマづつ同じシーンがあるのはざら。それでもページを猿のようにめくってしまう。
時事ネタ、アニメネタ、ドラマパロディなんでもあり。ルールに縛られず意表を突かれることが魅力。
最近のコメント