吉原御免状
宮本武蔵に育てられた青年、松永誠一郎は、誕生間もない吉原を訪れる。待っていたのは、八方から放たれる強烈な殺気であった。
「吉原御免状」は、隆慶一郎が始めて世に送り出した長編小説であるが、その面白さは格別。激しい剣戟、吉原成立の秘話、色里での情感、どれもが巧みな筆で描かれ、読者を包み込む。
独自の発想と創造力で展開される、稀有の知的エンターテイメント。
吉原御免状 (新潮文庫)
隆 慶一郎
宮本武蔵に育てられた青年、松永誠一郎は、誕生間もない吉原を訪れる。待っていたのは、八方から放たれる強烈な殺気であった。
「吉原御免状」は、隆慶一郎が始めて世に送り出した長編小説であるが、その面白さは格別。激しい剣戟、吉原成立の秘話、色里での情感、どれもが巧みな筆で描かれ、読者を包み込む。
独自の発想と創造力で展開される、稀有の知的エンターテイメント。
吉原御免状 (新潮文庫)
隆 慶一郎
NHK大河ドラマ「真田丸」第8話は、「調略」。北条と上杉の信濃での対決が迫る中、真田昌幸は春日信達の調略を息子の信繁に託す。
戦国時代の虚々実々の駆け引きを見事に描いた回であった。このような大河が見たいという思いを形にしてくれる三谷脚本に感謝。本領を発揮する真田昌幸の智謀。じわじわと次回以降の展開に期待が高まる。
南の島に住む子どもティオのまわりに起こる出来事を描いた連作短編集「南の島のティオ」。ユーモアにあふれた筆致で、人々のつつましくも精神的に豊かな暮らしが綴られる。ほっこりと心があたたかくなる本。
南の島のティオ (文春文庫)
池澤 夏樹
三浦しをんの「舟を編む」は、辞書を編集する人々の姿を描く物語。映画では、松田龍平がナイーブな青年を好演している。宮崎あおいの佇まいもいい。
幸せの形を静かに味わえる日本映画。
人類の化学との出会いから、元素の発見、ナイロンなど合成高分子化合物の生成まで、化学史をマンガで描いた作品。数々のエピソードが、ユーモラスなキャラクターによって語られていく。
子どもが大学入試の小論文対策で、市立図書館から借りてきた中の一冊。ふと手にとって読むと、意外に面白かった。
絵については貸本漫画のようなレトロな雰囲気を醸し、親しみやすい。原作者の理科教育実践に裏打ちされ、たいへん分かりやすい記述がなされている。
化学の発展を気軽に俯瞰できる一冊。
マンガ おはなし化学史―驚きと感動のエピソード満載! (ブルーバックス)
佐々木 ケン 松本 泉
「わかる授業」を目指して、筑波大学附属小学校が取り組んだ理科の授業実践を記した書。理科教育における問題解決の形骸化、表面的な理解への危惧をふまえ、次の4つの方略を基にした実践を行っている。
1.問題意識を醸成する
2.「理解確認」と「理解深化」をうながす
3.他教科と連携する
4.学ぶ意義・有用性を高める
子どもたちが「わかった!」を実感できる授業について、各方法に基づく豊富な事例が載せられており、示唆に富む。
筑波発「わかった! 」をめざす理科授業
筑波大学附属小学校理科教育研究部
NHK大河ドラマ「真田丸」第7話は、「奪回」。
北条と滝川一益が戦う間隙を縫って、真田昌幸は岩櫃城と沼田城を取り戻す。滝川の人質を取り戻そうとする真田信繁であったが、逆に北条に捕らえられる。
信長の死後、混迷する状況の中で諸勢力の攻防が感じられる。しかし、岩櫃城と沼田城の奪還があまりにあっさりとしていた。できればこの合戦シーンは見たかった。
全体として、三谷幸喜らしい舞台劇の趣きが横溢していた回。
NHK大河ドラマ「真田丸」第6話は、「迷走」。
明智勢からの追ってから逃れ、信繁は辛くも真田の領地に戻るが、それは失意の帰郷であった。
前回は上杉景勝、直江兼続が前面に出る場面があったが、今回は高嶋政伸演じる北条氏政が独特の存在感を示す。ラストで真田昌幸が決意を示す場面にぐっとくる。脚本も俳優も本当に輝いている。
多くのものを失ったシンイチは、単身最後の敵に挑んでいく。
寄生生物の存在を通して人のありようを語る「寄生獣」。特異なキャラクターであってもそれぞれが個性的であった。また、人々の生活感があり、日常と非日常が交錯し巧みな効果をあげていた。
何より、主人公と寄生生物の共存シーンがユーモアを含みながらも緊迫感をもち、絶妙なバランスで表現され、物語の魅力を高めていた。
類い稀な創造性とストーリーテリングを備えた、サスペンス・コミックの大傑作。
寄生獣の掃討に当局が動き出す。壮絶な闘いの幕が切って落とされる。
ダイナミックな展開で一気呵成に読ませる激烈な第9巻。
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