トータル・リコール

 フィリップ・K・ディックが1966年に発表した短編小説を基にしたSF映画「トータル・リコール」。アーノルド・シュワルツェネッガー主演で、アクションシーンを多く盛り込んでいる。
 飛行する車など、「ブレードランナー」の世界観を彷彿する部分もあるが、こちらは、ややコメディ要素が多いエキセントリックなSFとなっている。
 様々なアイディアを詰め込んだ、視覚効果を楽しませてくれるSF。  

トータル・リコール [ アーノルド・シュワルツェネッガー ]

世界の中心でAIをさけぶ

 「世界の中心で愛をさけぶ」の著者、片山恭一が、アメリカ西海岸を旅しながら綴ったエッセイ「世界の中心でAIをさけぶ」。
 人工知能などのデジタルテクノロジーが支配する人間社会は、どこに向かうのか。テクノロジーの中心であるシアトルを出発し、マウント・レーニアなどの自然豊かな地をめぐり、人類の未来に思いをはせる。そこでは、現在広がりつつあるテクノロジー中心社会の様相と、人々の営みに対する考察が該博な知識をもとに展開される。
 テクノロジー論と気楽な旅が織りなす、奥行きのあるエッセイ。

世界の中心でAIをさけぶ (新潮新書) [ 片山 恭一 ]

ムーンレイカー

 高校生の時、人の良い英語の先生に、生徒たちが「先生、発表会をやりましょう。」といって、授業時間に休みの日にあったことを前に出て言うことが何度か行われた。今では考えられない事であるが、当時はのんびりしていたものだ。確かに今ほど進学実績は上がっていなかったが、気骨のある生徒たちが多かったように思う。
 その「発表会」で私がなぜか指名され、気の弱い自分は恥ずかしい思いをしながら、その前の日に見た映画「ムーンレイカー」の冒頭が素晴らしかったことを、”Enjoy, your flight!”という台詞と共に演技しながら話した。ついでに、シャーリー・バッシーが熱唱した主題歌を歌った。貴重な授業の時間をとってしまい申し訳ないことをしたと今にして思う。
 007シリーズの第11作目「ムーンレイカー」は、007がついに宇宙に出てしまう映画。行くところまで行ってしまった感がある。「ロシアより愛をこめて」の格調や、「ゴールドフィンガー」の緊迫感には欠けるが、次々とたたみかけるアクションの連続とサービス精神の旺盛さがあり、娯楽大作としてはよく出来ている。突き抜けた魅力とでもいうのであろうか。

ムーンレイカー【Blu-ray】 [ ロジャー・ムーア ]

パシフィック・リム

 「数字は神が書いた真実に近い」

 人が乗る巨大ロボットと怪獣との闘いを描いたアメリカ映画「パシフィック・リム」。海底の裂け目から現れた怪獣によって、人類は滅亡の危機に瀕する。対抗すべく作られたロボットに乗るパイロットと怪獣との死闘が繰り広げられる。
  全編を通じて、日本の怪獣映画やロボットアニメ、特撮映画への敬愛が感じられる。敵の呼称も"Kaiju"である。
 パイロットのみでなく、生物学者や数学者を活躍させるあたりがアメリカらしい。冒頭の言葉は、怪獣の出現を予測する数学者の言葉。
  緻密な造形とこだわりの映像で見る者を引きずり込む、超弩級のエンターテイメント・ムービー。

パシフィック・リム(字幕版)

三大怪獣 地球最大の決戦

 ゴジラ・モスラ・ラドンとキングギドラが戦う1964年の映画「三大怪獣 地球最大の決戦」。キングギドラが初めて登場した作品である。
 怪獣以外の部分でも、黒部ダムへの隕石墜落、小国の王女の失踪などが絡んだ凝ったストーリーになっていた。
 やはり、キングギドラはその造形と金属的な鳴き声で、圧倒的な存在感をもっていた。

三大怪獣 地球最大の決戦

ゴジラ

 1954年の初代「ゴジラ」。核兵器が生みだした怪獣というメッセージ性を込めているが、それ以上にSFとしての出来に感心した。
 ゴジラの足跡から発見された三葉虫の化石から、ゴジラの生物としての年代を測定する。また、ゴジラ退治のための武器が「オキシジェン・デストロイヤー」。まさしく、ハードSFの設定である。
 ゴジラが東京に上陸し銀座などを破壊するが、制作に当たってそんな目的で図面を貸してくれるわけがないのでスタッフも随分苦労して再現したようだ。このゴジラの破壊行為がシリーズのひとつの目玉になり、「シン・ゴジラ」で徹底したリアリティが追求された。
 伊福部昭による音楽があまりに素晴らしい。「シン・ゴジラ」でも、膨大な試行錯誤の末、伊福部昭の曲については、結局このオリジナル音源を使うことになった。
 最高のスタッフによって生み出された奇跡の映画。 

ゴジラ

エアポート'80

 航空パニック映画「大空港」「エアポート'75」「エアポート'77」に続く第4作。シリーズ中で最も評価は低いと言われている。確かに人間関係の妙やリアリティでは最初の2作に劣るが、どうしてどうして、なかなか楽しめる作品であった。
 まず、超音速旅客機コンコルドの勇姿がかっこいい。また、シリーズ通して出演しているジョージ・ケネディが機長となり、活躍する。ジョージ・ケネディとアラン・ドロンが、実に楽しそうにやりとりをしている。スペクタクル・シーンも力が入っている。
 気楽に見られるパニック映画。

エアポート'80 [ アラン・ドロン ]

アース

 自然の営みが、美しい映像と音楽で紡がれる映画。ワレワレハチキュウジンダ。

アース スタンダード・エディション /アラステア・フォザーギル/マーク・リンフィールド,ジョージ・フェントン(音楽),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

生物と無生物のあいだ

 生物とは何か。その根源的な問いに、生物学者福岡伸一が、DNA発見の経緯や自らの研究の過程を踏まえて向き合った書。
 魅力的な語り口で、生命の謎をときあかすドラマが綴られていく。科学的で精緻な文章でありながら、時折深い抒情をたたえて記されていく。それは、文学的香気をたたえた上質の推理小説を読んでいるかのようである。しかも、その内容は生命の神秘を伝えとめどもない深みをたたえている。

「1950年、彼女が三十歳になった秋のことだった。幸運と、その不運のすべてが、続く二十数ヶ月のうちにフランクリンの上に照射され、それはあらゆる方向に拡散した。」

 DNAの構造発見に大きく寄与したX線解析を専門とする科学者、ロザリンド・フランクリンに関する本書の文である。X線を物体にあて、その構造解析を行うことに彼女の運命を象徴させた比喩に感銘を受けた。
 彼女の研究はワトソン、クリック、ウィルキンズの3名がノーベル賞をとったDNA二重らせん構造の発見に大きく関わっているが、フランクリン自身の名はノーベル賞受賞者に刻まれることはなかった。
 このような、巧みな表現とドラマチックな展開により、読む者を強く惹き付ける魅力に満ちている。

 生命現象とその解明に挑んだ人々を描き、根源的な感銘を与えてくれる名著。    

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) [ 福岡 伸一 ]

アイアンマン

 天才発明家にして軍事産業の社長が、パワードスーツに身を包み、悪と対決する「アイアンマン」。
 徹頭徹尾素晴らしい。まず、アフガニスタンのテロ組織に捕まり、やむなくパワードスーツを開発するという冒頭のシークエンスが興味深い。その後のサイエンティフィックな描写も実に緻密で楽しめる。
 科学万能主義のアメリカならではの発想に貫かれた快作。

アイアンマン(字幕版)

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