小6算数ドリル

 長男が、今日から小学6年生の算数ドリルに取り組む。小学6年生では、分数計算が一番大きなポイントとなる。分母が同じ分数の足し算、引き算は小学5年生の内容で扱うが、小学6年生では、異なる分母を持つ分数の足し算・引き算・掛け算・割り算が登場する。
 分数の通分の布石として、最初に公倍数の考え方を教え、練習させる。2つの数列について共通の要素を見据えさせる問題でもある。

 基盤となるのは、「割合」の考え方である。分数も、単位量あたりの数や割合と密接に関連しており、小学5年生の内容がベースになる。逆に、小学5年生の内容がきちんと身に付いていれば、小学6年生の算数については比較的学習しやすいと感じる。
 小学4年生・5年生の内容の定着は、以降の算数・数学の学習を大きく左右し、極めて重要である。

新課程学力ドリル算数 (小学6年生)
金井 敬之
4883133133

人体透視図鑑

 図書館で本やビデオを借り、帰ろうとして子どもに声をかけると、長男は隅で大きな本をじっと見ていた。随分借りたので、その大きな本を戻して帰ろうと言うが、長男が手から本を放す気配がないので、かさばって大変だと思ったが、仕方なく一緒に借りてくる。
 その「人体透視図鑑」を帰ってから見ると、これが実に緻密に描かれたイラストで、色違いの小さな人々が組織や免疫などの機能を表わすユニークな本であった。ページ数こそ少ないものの、その細かさは圧巻。吸い込まれるように見ていた長男は、そのイラストから、人体の神秘を子どもながらに感じとったのかもしれない。

人体透視図鑑
リチャード プラット Richard Platt Stephen Biesty
4751515675

算数ドリル

 小学3年生の息子が、今日ようやく5年の算数ドリルを終える。去年の10月から始めて、7ヶ月もかかってしまった。

 小学5年生の算数は、たいへん中身がある。小数と小数の掛け算・割り算、四捨五入、割合とグラフなどは極めて重要であり、ここでの計算は充分訓練を積むべきだと感じた。
 例えば、「わが国の土地利用割合」が帯グラフで示され、森林原野、農用地、宅地などの割合を読み取り、日本の総面積38万平方キロメートルからそれらの面積を出す問題があった。これらを計算させた後、
「森林原野は67%、日本の約3分の2だね。日本地図を見てみよう。」
と、地図を広げさせて日本の特徴を捉えさせた。他の分野への発展性もある豊かな単元だ。

En_menseki また、図形については、三角形・四角形の特徴、角度や面積の求め方、平行・垂直の作図などがある。
 さらに、円について、円周率や円の面積計算が登場する。円周率は、初めて登場する無理数である。そして、円の面積公式を求める過程では、円を中心から細かく切って横に並べることで、微分積分の手法を示すことになる。
 円の面積を求めることは、計算力が必要になる部分であり、子どもに問題を解かせることで小数計算の習熟を見ることができる。

 このように、5年生の算数は今後に直結する内容であり、その訓練がおざなりになっていては、以降の学習に支障をきたすことは間違いない。基礎学力中の基礎学力である。まさしくポイントとなる学習内容であると、子どもの取り組みと計算力の伸長をつぶさに見て実感した。

新課程学力ドリル算数 (小学5年生)
影浦 邦子
4883133125

ヒトゲノムマップ

 近くの少年科学館に行くと、人の遺伝情報がまとめられた「ゲノムマップ」が置いてあったので、もらってくる。「一家に1枚周期表」の科学技術広報財団が作成したもの。周期表も、貼っておくと子どもが折りにふれて見ている。この前も、「金はAuだから英雄が持つんだね」などと言っていた。
 ゲノムマップは、見た目は少々難しいが、貼っておけば興味を持つ機会があるかもしれない。科学に親しむ環境をできるだけ作っていきたい。

一家に1枚ヒトゲノムマップ

手塚治虫の伝記

 ストーリー漫画の開拓者、手塚治虫の伝記を息子が読み終える。エジソンや宮沢賢治に比べ、「ブラックジャック」や「火の鳥」などで息子にもなじみがあるので、読みやすかったようだ。
 毎日、息子の朗読を聴くのを日課にしているが、手塚治虫の伝記は親子ともに本当に楽しむことができた。ところどころに手塚まんがが挿入され、イメージが描きやすい。
 著者は、手塚治虫の担当編集者であった中尾明。半世紀を嵐のように駆け抜けた手塚の生涯を、活き活きと記している。
 手塚治虫は夢と希望を与える、皆に愛される作品を生み出し続けた。その子供時代は、昆虫、天文など様々なことに興味をもっていた。実際に手塚が中学時代に作った昆虫図鑑を見たことがあるが、その精密さに驚き、感動すら覚えた。
 よき作品を残した人が、あふれる好奇心を持ち続け、どれほど豊かな生涯をおくったかを息子と共にたどれ清々しい思いだった。

手塚治虫―まんがとアニメで世界をむすぶ
中尾 明
4061475754

陰山英男の校長日記

 陰山英男が尾道市立土堂小学校長に就任してからの一年間を自ら綴った記録。子どもたちに真の学力をつけさせるために、様々な工夫をし、現場の先生方と実践を重ねていく。多忙な校務の合間に、良い授業をもとめて全国を飛び回る。苦悩をしながらも、ひたむきに子どもたちのために取り組む姿に胸をうたれた。

陰山英男の「校長日記」 土堂小学校校長一年目の全記録
陰山 英男 山崎 敬史
4093453632

鈴木敏文の「統計心理学」

 セブン・イレブンを創業し、その経営のトップであり続けている鈴木氏の方法論を分析した「鈴木敏文の統計心理学」が実に興味深い。まさしく目から鱗が落ちるとはこのことかと思う。
 過去の経験にこだわらず、様々な実験を行い、それを検証していく手法。顧客ニーズをつかむために続けられるありとあらゆる努力。大胆な発想でどんな変化にも柔軟に対応できる姿勢。そして繊細な心を持って臨む一貫した顧客視点の経営。全国の1500名に及ぶ店舗指導員が毎週本部に集まる会議に象徴される、共有する場、ダイレクト・コミュニケーションの重視。
 店舗数1万1千を超えなお伸び続けるセブン・イレブンの背景にある鈴木流経営学は刺激と示唆に満ち、読む者を大いに奮起させる書であった。

鈴木敏文の「統計心理学」―「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む
勝見 明
4532193206

子ぎつねヘレン

 家族で、映画「子ぎつねヘレン」を見に行く。目が見えず耳も聞こえないキツネと少年との交流を軸にした映画。傷ついた動物を世話する獣医の親子と少年とのやりとりが物語に厚みをそえている。
 もし、目が見えず耳も聞こえない世界に置かれたら。その視点をきっちりと据えて描かれ、子どもたちの情操に自然と訴える作品となっている。
 映画を見た後もあいかわらず戦うゲームなどを子どもたちはしていた。しかし、5歳の子が、「熊さんのめんどうを見なきゃ」と、ぬいぐるみで遊ぶようになったところを見ると、この映画から良いものをもらったことも否定できない。

子ぎつねヘレン
大沢たかお 竹田津実 河野圭太
B000FTWUX6

子ぎつねヘレン・フォトブック
テレビライフ編集部
405403036X
子ぎつねヘレンができるまで
大沢たかお 松雪泰子
B000CR78EW

プレゼン指導虎の巻

 小中学生を対象にしたプレゼンテーション指導のねらいと具体的な方法が丁寧に書かれている本。プレゼンテーションは、相手を意識し、他との関わりを見つめさせるためにも、教育において益々重要な位置をしめるであろう。本書では、段階を踏んでいかにプレゼンを会得させるかが豊富な実例で示されている。
 子どもたちに、真に必要な「生きる力」を育むためにも、プレゼンテーションのスキルとマインドに目を向けていくことが求められるであろう。

プレゼン指導虎の巻―プレゼン能力をぐんぐん伸ばす!
堀田 龍也
4771104425

デジタル仕事術セミナー

 「教師のためのデジタル仕事術セミナー」に参加する。東京の八重洲口から歩いて約15分、八丁堀にある内田洋行のショールームで開催された。メディア教育開発センターの堀田龍也氏を中心に、ITを利用した教師の仕事術について、様々な実践例が紹介された。
 特に、3人の講師が20分ずつ行ったポスターセッションは興味深かった。
 水沢小学校の佐藤正寿氏は、アナログとデジタル双方を用い学級を活性化させるIT活用を示していた。水沢小学校は、昨年3月に行われた全国プレゼンテーションコンテストで、「青い目の人形は今どこへ」というタイトルで、小学校高学年の部で優秀賞を受賞した。自分としては、小学校・中学校・高等学校の全てのプレゼンテーションの中でも最も感銘を受けたものであった。戦時中に数多く焼かれた青い目の人形を探し、自分の郷土の幼稚園で見つけたという内容のものであった。小学校6年生の、平和への願いが込められた、実に素晴らしいプレゼンテーションであった。決して派手なパフォーマンスがあったわけではないが、それだけに思いが伝わり静かに胸を打った。
 その小学校6年生のプレゼンを指導した人が、佐藤正寿氏であった。セミナーに参加し、教育にかける情熱と仕事を楽しむ姿勢に、この人のクラスなら生徒も伸びるはずだと実感した。
 大津市立藤尾小学校の石原一彦氏は、ITを活用した授業の第一人者で、嬉々として様々なIT機器を使った実践を発表していた。機器の利用については、鍛え考えさせるというねらいを持って取り組むことが重要と改めて考えさせられた。
 小牧市立光ヶ丘中学校校長の玉置崇氏は、情報共有や発信の手段としてITを活用しておられた。その膨大な量の情報発信と大所局所両面からアクティブに行う学校経営の姿勢に、求められるリーダー像を目の当たりにする思いだった。
 発表の後、これらの人々と懇親会でお話をすることができ、たいへん有意義であった。
 セミナーに誘っていただいた斎藤俊明氏にはたいへん感謝している。

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