いだてん 1

 NHK大河ドラマ「いだてん」第1話は「夜明け前」。役所広司演じる嘉納治五郎が、オリンピック初参加に向けて奮闘する様が描かれていた。
 明治、昭和と時代をいきつもどりつしながら、熱気ある日本の姿を多彩な人々で表現していた。宮藤官九郎によるテンポのよい脚本と、当時を見事に再現した映像であっという間の1時間であった。膨大な資料を駆使して日本の現代史を垣間見せてくれ、充実した時を過ごすことができた。
 なにより、勢いがあり見ていて心地良い。時代を走り抜けていくドラマに今後の期待がふくらむ。

NHK大河ドラマ「いだてん」

いだてん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)
いだてん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

ツァラトゥストラはかく語りき (まんが学術文庫)

 ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を、漫画で表現した作品。サッカー少年の成長物語を、ニーチェの箴言を含めて描く荒技。
 「神は死んだ」の歴史的背景なども解説されており、教養書としても面白い。
 受験勉強中の次男が読み、「獅子のように生きなければ」と語っていた。来年の飛躍を願う。

ツァラトゥストラはかく語りき (まんが学術文庫)

墨攻

 酒見賢一の小説「墨攻」は、中国の春秋戦国時代を舞台とした歴史小説。趙に攻められる小城を救うため、墨子である革離は自らの信念に従い単身城に赴く。城の守備にあらゆる策を講じ、大軍を待ち受ける。
 非攻の哲学をもつ集団「墨子」の思想を、城での戦いを通じて描き出す。迫真の攻城戦、敵味方双方の心理描写など、物語の魅力にあふれている。
 無類の面白さをもった歴史小説の傑作。

墨攻 (文春文庫) [ 酒見 賢一 ]

三略 (まんが学術文庫)

 中国の兵法書「三略」の内容をレコード会社に出向した社長を中心に表現した漫画。これも池井戸潤の小説や弘兼憲史の「島耕作」シリーズみたいであるが、「六韜」よりも説得力が感じられた。脚本のリアリティの差であろう。
 古典の力を借りた再生というテーマは、現代社会のニーズに合致している。

三略 (まんが学術文庫)

六韜(まんが学術文庫)

 中国の兵法書「六韜」の言葉を、現代の銀行を舞台に実践した様を描いた漫画。主人公は、謀略を用いて行内を変えようとする。
 手段を選ばず突き進む主人公の姿が力強い。しかし、池井戸潤の小説やドラマのようになってしまい、さらりと読めるが肝心の古典の深みはあまり伝わってこなかった。登場人物が皆あまりに刹那的すぎる。
 学術書の漫画化の難しさを感じさせてくれた書。 

六韜 (まんが学術文庫)

賞金稼ぎ

 若山富三郎主演の映画「賞金稼ぎ」は、1969年に公開された時代劇。時の将軍・家重は、内乱を防ぐために凄腕の賞金稼ぎ・錣市兵衛を薩摩に向かわせる。
 スピーディな展開と凝った演出で最後まで飽きさせない。敵のアジトへの侵入、謎の美女、様々なガジェットなど、まさしく和製007といった趣き。若山富三郎の殺陣が光る。

賞金稼ぎ

最大多数の最大幸福

 ベンサムの「道徳および立法の諸原理序説」を基に、「最大多数の最大幸福」に象徴される思想を表現した漫画。
 19世紀ロンドンを舞台に、切り裂きジャック事件と功利主義を結びつけるなど、大技で挑んだコミック。

最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より (まんが学術文庫)

沈黙

 遠藤周作の小説を原作とする、マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙」。イエズス会の宣教師が江戸初期の日本に渡り、キリスト教徒の弾圧に苦悩する様を描く。
 17世紀初頭の日本が主な舞台であるが、スコセッシ監督は黒澤明監督、溝口健二監督などの作品に造詣が深いこともあり、ほとんど違和感を感じない。
 キリスト教徒の迫害にあたる長崎奉行、井上筑後守役のイッセー尾形が大変味わいのある演技を見せる。
 神と信仰の意義を静かな映像美で問いかける名作。

沈黙 -サイレンス-(字幕版)

キリング・フィールド

 カンボジアの内戦、ポルポト治下の圧政を描いた映画「キリング・フィールド」。ニューヨーク・タイムズ記者としてカンボジア内戦を取材したシドニー・シャンバーグの実話を基にしている。1984年製作、ローランド・ジョフィ監督作品。
 クメール・ルージュが支配する集団農場のシーン、逃亡先での荒涼たる映像が圧巻。カンボジア人記者を演じるハイン・S・ニョールは、4年間ポルポト時代に強制労働をさせられた経験を持つ。それゆえ、その不屈の風貌には説得力があった。
 1984年のアカデミー賞における助演男優賞・編集賞・撮影賞の3部門を受賞した迫真の映画。

キリング・フィールド スペシャル・エディション [DVD]

奇蹟がくれた数式

 インドの数学者ラマヌジャンの半生を描いた映画「奇蹟がくれた数式」。ケンブリッジ大学の数学者、ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディとの交流が胸をうつ。
 数学の描写がしっかりしており、たいへん興味深い。ラマヌジャンの神秘的とも感じられる数式には驚嘆する。静かな感動をよぶ天才数学者の自伝的映画。

奇蹟がくれた数式 [ デヴ・パテル ]

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