藤沢周平の「逃走」を笹野高史が朗読したCDを聴く。泥棒家業の小間物屋を主人公にすえたユーモアのある作品だが、底にはしっとりとした叙情をたたえている。
笹野高史の朗読は、ふわりと滑稽味を醸す絶妙の語り。
NHK大河ドラマ「平清盛」第19回は、「鳥羽院の遺言」。保元の乱のきっかけとなる後白河天皇、崇徳上皇の確執が多面的に描かれる。朝廷側では、藤原信頼を塚地武雅が演じるなど、濃いキャラクターが次々登場する。源氏側では、為義・義朝父子の対立が決定的になり、緊迫感が高まる。対する平家パートは、ホーム・ドラマの雰囲気をまた保っており、主人公が一番のほほんとした様子。
鳥羽法皇演じる三上博史は、鬱屈した複雑な思いを常に抱えた難しい役所を演じきり、役者魂を感じさせられた。井浦新は、崇徳上皇の孤影を見事に表出している。
主人公以外のキャラクターが立ちまくる、赤塚不二夫漫画のような状態になっている。
NHK大河ドラマ「平清盛」第18回は、「誕生、後白河帝」
。
松田翔太演じる雅仁親王が、美濃の青墓に行くと言い出す。唐突な展開はいつものことで慣れた。その青墓での、松田聖子演じる白拍子とのシーンは独特の浮遊感があって印象的であった。
学研の「まんが攻略BON!中学故事成語・漢文」は、このシリーズの中でもたいへん質が高い。
「矛盾」「漁夫の利」など、故事成語が書き下しと共に漫画で描かれている。また、「学びて思わざれば則ち罔し」「春眠暁を覚えず」「四面楚歌」など論語・漢詩・史記の文には、訓読文と書き下し文が並べて記されている。
漢文の入門としても好適な一冊。
NHK大河ドラマ「平清盛」第16回は、「さらば父上」。中井貴一演じる平忠盛が退場する回であり、いままであまり成長した様子が見られない清盛が、絶大なる信望と力を持つ父親を失い、平家をまとめる立場になって大丈夫なのだろうかと不安を抱く。
源氏は為義・義朝父子の対立が激しくなっており、こちらの方が緊迫感があり平家側より興味深い。
NHK大河ドラマ「平清盛」第15回は、「嵐の中の一門」。タイトルの割に、おとなしめの回で、弟家盛を亡くした後の清盛の姿を軸に描く。
中井貴一演じる冷静沈着な平忠盛をも激高させる、藤原頼長役の山本耕史の怪演に凄みを感じた。
松山ケンイチが無口でいる場面が多い回であり、そのせいか引き締まって見えた。「銭ゲバ」でも、第1話のほとんど口を開かない陰のある人物造形は素晴らしかったのに、回が進むにつれてベラベラ喋るようになると凄みがなくなっていった。この人は寡黙でいる方が絵になるようだ。
NHK大河ドラマ「平清盛」第14回は、「家盛決起」。陰影の濃い画面で兄弟の確執がじっくり描かれる。
清盛の言動が学園ドラマの主人公のようで、成長があまり見られない様が気になる。
「日本百名山」の著者、深田久弥が1971年に行った講演を収録したCD。万葉集に登場する山々を愛着を込めて語る。亡くなる一週間前の貴重な肉声の記録。飄々とした語り口に氏のお人柄が偲ばれる。
深田久弥の万葉登山 (新潮CD 講演)
深田 久弥
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