宇野誠一郎 作品集 II
「ねえ!ムーミン」「小さなバイキングビッケ」など、絵と共にテーマ曲がすっと浮かんでくる。これら円熟期のアニメ音楽の他、「作品集 II」には、宇野誠一郎が手がけた多彩な作品が収められている。
「ブンとフン」「ひょっこりひょうたん島」「ネコジャラ市の11人」「船乗りクプクプの冒険」といった、井上ひさしとの関わりで作曲された音楽には、実験的な要素が多く楽しめる。
「東風」「アイアイ」「いちめんのなのはな」のように独特の叙情を醸す音楽、「アイム・ショックド」「新女大学」の実験精神が横溢した曲など、その多彩さに圧倒される。
解説書の文章も極めて密度が濃い。甘美さと毒が渾然一体となった広大な宇野ワールド。滑稽・奇抜でありながら叙情を漂わせるその音楽は人生の折々にふと浮き上がる煌めきをもっている。
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