ディア・ハンター
ベトナム戦争に投げ込まれた若者たちを描く映画「ディア・ハンター」。マイケル・チミノ監督による1978年公開作品。
街で暮らす若者たちのゆったりとした映像から、ベトナム戦争の壮絶な描写へと移行する対比が鮮やか。
テーマ音楽の「カヴァティーナ」があまりに美しく、印象深い。まさに、心にしみる名画。
アカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞、音響賞、編集賞受賞作品。
ベトナム戦争に投げ込まれた若者たちを描く映画「ディア・ハンター」。マイケル・チミノ監督による1978年公開作品。
街で暮らす若者たちのゆったりとした映像から、ベトナム戦争の壮絶な描写へと移行する対比が鮮やか。
テーマ音楽の「カヴァティーナ」があまりに美しく、印象深い。まさに、心にしみる名画。
アカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞、音響賞、編集賞受賞作品。
長編を得意とする作家が、肩の力を抜いて短編アンソロジーを書くと、意外に面白い作品ができる。例えば、東野圭吾の「名探偵の掟」がその好例である。
「マネーロンダリング」の橘玲による連作短編「亜玖夢博士の経済入門」も、たいへん面白い。新宿歌舞伎町裏にある亜玖夢博士の研究所に、多重債務者、ヤクの売人、マルチ商法、いじめの被害者など、様々な人物が相談に訪れる。該博な知識を元に、博士は解決法を提示する。それを忠実に実行すると…。
「行動経済学」「囚人のジレンマ」「ネットワーク社会学」など、経済学の知見を分かりやすく紹介しながら、独特のユーモアを含んだ奇抜なストーリーに仕上げた、ブラック・コメディの快作。
NHK土曜ドラマ「64」第2回は、「声」。14年前の幼女誘拐殺人事件の時効が迫る中、主人公三上は、当時関わった刑事たちの秘密にたどり着く。
硬質な演出と寸分の隙もないストーリーで、見る者を惹き付けてやまない重厚なドラマ。
高嶋さち子によるヴァイオリンと、加羽沢美濃によるピアノのデュオによる13曲を収めたアルバム。ポピュラー、クラシック、ミュージカルと、様々なジャンルの曲を多彩にアレンジし、心地良く聴かせてくれる。
CHISA & MINO
加羽沢美濃 高嶋ちさ子
横山秀夫の小説「64」がドラマ化される。それを知ったときには、胸の高鳴りすら覚えた。あの重層的な小説を、どのように映像化するのか、不安と期待が交錯する。
NHKのホームページで、【脚本】大森寿美男を目にしたとたん、これは必見と小躍りした。NHK大河ドラマで、近年の名作といえば「風林火山」である。また、「TAROの塔」も印象に残る出来映えであった。この人なら、という思いがある。
「クライマーズ・ハイ」のスタッフが、練りに練ってつくりあげたドラマ。それは、期待を裏切ろうはずがなかった。最後まで一時たりとも目を離せない、引き締まった映像であった。
主人公の三上広報官を、ピエール瀧が演じる。次々と襲いかかる難題に、苦悩しつつ立ち向かう。14年前の誘拐事件の映像は、段田安則の名演技と相まってこの上ない緊迫感をもっていた。
甘さの一切ない、キレのある映像と巧みなプロット、個性豊かな俳優の存在感により、近年まれに見る硬質なドラマが誕生した。
未解決であった誘拐事件の時効に合わせ、警視庁長官がD県の視察に訪れる。その真の目的を知った広報官三上は、自己と組織との間で苦悩し、解決に向けて奔走する。視察前日、事態は急転直下新たな局面を迎える。
緊迫感をもった圧巻のストーリーテリングで、多彩の登場人物が交錯しながら、ラストに向かって怒濤の展開をみせる。その緻密な構成と手並みには心底感嘆する。
上毛新聞の記者として誘拐事件を担当した作者が、渾身の思いを込めて描く警察小説の最高峰。
64(ロクヨン) 下 (文春文庫)
横山 秀夫
昭和64年におきた誘拐事件を縦糸とし、警察における個人と組織の相克を描く横山秀夫の小説「64(ロクヨン)」。
主人公の広報官三上に、記者との軋轢を抱えるなかで、長官視察の準備をする命が下される。視察当時までのリミットが迫る中、次々と問題と謎が生まれ、組織全体を巻き込んだドラマに発展していく。
読む者を惹き付けてやまない警察小説の白眉。
64(ロクヨン) 上 (文春文庫)
横山 秀夫
横山秀夫の「第三の時効」は、刑事たちの確執と執念を描く短編集。
6つの短編は、どれも人間の心理を鋭く描き、優れたストーリーテリングによる読み応えのある物語となっている。すべての作品が極めて高いレベルであり、作者の力量に感嘆する。
読み手の心をゆさぶる警察小説の傑作。
第三の時効 (集英社文庫)
横山 秀夫
「クライマーズ・ハイ」「64」などの作者、横山秀夫のデビュー作。
刑事物のような操作畑の人間ではなく、警務課という警察のバックボーンを支える部署を主な舞台としている。主人公も人事に関わる地味な職種であるが、それだけに組織の生み出す人間模様が読み手の心をつかむドラマをうむ。
スリリングなストーリーはどれも秀逸で、余韻を残す。
陰の季節 (文春文庫)
横山 秀夫
音速を超えるジェット機の開発に情熱を傾ける人々の人間模様を描いた映画「超音ジェット機」。デヴィッド・リーン監督による、1952年の作品。
デヴィッド・リーンの作品では、「ライアンの娘」「大いなる遺産」の冒頭でも、雲の描写が印象的であるが、この作品においても大空の雲が、ジェット機とともに雄大な世界を表している。
テンポ良い展開と、巧みな心理描写で見るものを引き込む、巨匠初期の傑作。
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