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世界の中心でAIをさけぶ

 「世界の中心で愛をさけぶ」の著者、片山恭一が、アメリカ西海岸を旅しながら綴ったエッセイ「世界の中心でAIをさけぶ」。
 人工知能などのデジタルテクノロジーが支配する人間社会は、どこに向かうのか。テクノロジーの中心であるシアトルを出発し、マウント・レーニアなどの自然豊かな地をめぐり、人類の未来に思いをはせる。そこでは、現在広がりつつあるテクノロジー中心社会の様相と、人々の営みに対する考察が該博な知識をもとに展開される。
 テクノロジー論と気楽な旅が織りなす、奥行きのあるエッセイ。

世界の中心でAIをさけぶ (新潮新書) [ 片山 恭一 ]

世界の中心で、愛をさけぶ (映画)

 「世界の中心で、愛をさけぶ」は、行定勲監督による2004年公開の映画。
 片山恭一の小説を原作とするが、写真館が重要な位置を占めるなど大幅な脚色がなされている。ウォークマン、カセットテープなど1986年当時の状況を生かした設定がされている。
過去を振り返る大沢たかお、柴咲コウの演技もいいが、高校生アキを演じる長澤まさみが素晴らしい。スタッフの力量もあるのだろうが、彼女自身の役者魂を感じさせられた。

世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [ 行定勲 ]

世界の中心で、愛をさけぶ

 片山恭一による「世界の中心で、愛をさけぶ」は、地方都市を舞台とした恋愛小説。中学・高校と同級であったサクとアキは、互いに惹かれていくが、アキは病により衰弱していく。
 知的な会話と、巧みな比喩を用い、透明感のある文章となっている。全体をおおう喪失感が胸に迫る作品。

世界の中心で、愛をさけぶ (小学館文庫) [ 片山恭一 ]

ムーンレイカー

 高校生の時、人の良い英語の先生に、生徒たちが「先生、発表会をやりましょう。」といって、授業時間に休みの日にあったことを前に出て言うことが何度か行われた。今では考えられない事であるが、当時はのんびりしていたものだ。確かに今ほど進学実績は上がっていなかったが、気骨のある生徒たちが多かったように思う。
 その「発表会」で私がなぜか指名され、気の弱い自分は恥ずかしい思いをしながら、その前の日に見た映画「ムーンレイカー」の冒頭が素晴らしかったことを、”Enjoy, your flight!”という台詞と共に演技しながら話した。ついでに、シャーリー・バッシーが熱唱した主題歌を歌った。貴重な授業の時間をとってしまい申し訳ないことをしたと今にして思う。
 007シリーズの第11作目「ムーンレイカー」は、007がついに宇宙に出てしまう映画。行くところまで行ってしまった感がある。「ロシアより愛をこめて」の格調や、「ゴールドフィンガー」の緊迫感には欠けるが、次々とたたみかけるアクションの連続とサービス精神の旺盛さがあり、娯楽大作としてはよく出来ている。突き抜けた魅力とでもいうのであろうか。

ムーンレイカー【Blu-ray】 [ ロジャー・ムーア ]

私を愛したスパイ

 007シリーズの10作目「私を愛したスパイ」。メモリアルな作品ということもあり、巨額の費用をかけ、エンターテイメントに徹した見どころの多い作品となっている。
 ロジャー・ムーアのスタイリッシュでユーモアを含んだボンドが懐かしい。リチャード・キール演じる宿敵「ジョーズ」のキャラクターが鮮烈な印象を残す。ケン・アダムによるデザインが優れており、作品の魅力を高めている。クレジットには出ないが、スタンリー・キューブリックも巨大タンカー内の撮影に協力している。
 スタッフの意気込みが結晶した、007シリーズの傑作。

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黄金銃を持つ男

 007の9作目にして、原作者イアン・フレミングの遺作となった長編を映画化。香港、マカオ、タイを舞台に、クリストファー・リー演じる殺し屋スカラマンガとの対決を描く。ガイ・ハミルトン監督による1974年公開作品。
 短い期間で製作したためか、スケールが小さく感じるが、カーチェイス、ボートチェイスなど、見所は随所にある。オマヌなボンド・ガールや、せこさを感じる刺客など、B級映画の雰囲気を持っているが、原作者イアン・フレミングの従兄弟でもあるクリストファー・リーの存在感がそれらを補ってあまりあるほど光っている。気楽に見られる007映画。

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死ぬのは奴らだ

 007シリーズ第8作「死ぬのは奴らだ」。ジェームズ・ボンド役をロジャー・ムーアが初めて演じた1973年公開作品。
 アメリカやジャマイカを舞台としている。当時のアメリカの景色も楽しめる作品。ヘビ、ワニ、サメなど、生物兵器もボンドを出迎える。ロジャー・ムーアの軽妙なボンドが土着的な舞台で大立ち回りを演じ、独特の雰囲気を醸している。
 ポール・マッカートニー&ウイングスのテーマ曲が素晴らしい。

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ダイヤモンドは永遠に

 007シリーズの第7作「ダイヤモンドは永遠に」は、1971年公開映画。
 月面車が登場するが、ジェームズ・ボンドが月にいくわけではない。ボンドが宇宙に飛び出すのは、第11作「ムーンレイカー」で、これはかっとんだ作品だったが、本作はコメディタッチの地味な作風。スパイ映画としての緊迫感は薄れている。ラストもいまひとつスケール感に欠ける。
 ショーン・コネリーは本作で復帰するが、メインの路線からは卒業となった作品。

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女王陛下の007

 007シリーズ第6作目、「女王陛下の007」は、ジェームズ・ボンドをジョージ・レーゼンビーが演じた唯一の映画。ピーター・ハント監督、1969年公開作品。
 ショーン・コネリーのアクの強さとは対照的に、二枚目の甘い雰囲気があるボンドである。それゆえ、今までの007シリーズファンからは敬遠されていた向きがあるが、あらためて見るとしっかりとした作品である。
 アルプスの敵アジトの美しさは、シリーズ一ではないか。後半の雪上アクションは緊迫感があり素晴らしい。
 スタイリッシュな映像美に溢れた良作。

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007は二度死ぬ

 映画007シリーズ第5作目で、日本を舞台とした作品。「チョコレート工場の秘密」の作者、ロアルド・ダールが脚本を手がけている。
 東京オリンピック開催直後の日本がロケ地となっており、地下鉄丸ノ内線、ホテルニューオータニ、旧蔵前国技館、東京タワーなどの風景が見られる。九州の霧島山新燃岳での、オートジャイロとヘリコブターの空中撮影も迫力がある。
 若き日の丹波哲郎が活躍し、忍者部隊のリーダーを演じる。荒唐無稽な感もあるが、様々に楽しめる作品。

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