踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

 「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」は、織田裕二演じる青島刑事を主役とした劇場版3作目。湾岸警察署の引っ越しの最中におきる事件を描く。
 多くの登場人物が交錯する群像劇。引っ越しの慌ただしさでカオスの様相が増している。いかりや長介の姿がみられず、伊藤淳史が甥役を演じ残した言葉を伝え、その存在がしのばれる。
 多くの要素を詰め込んだ祝祭的なアクション・コメディ。

名探偵コナン 劇場版テーマソングベスト

 名探偵コナンの劇場版第1作から第10作までの主題歌を収録したCD。
 B`z、ZARD、倉木麻衣などが手がけた楽曲であり、J-POPアーティストの良さが凝縮されている。

ジャッカル

 「ジャッカル」は、1997年製作のアメリカ映画。1973年の映画「ジャッカルの日」をリメイクした作品。舞台をアメリカに移し、オリジナル要素の強い映画。
 ブルース・ウィリスが、冷徹な暗殺者を好演している。しかし、暗殺者なのに目立ちすぎないだろうかと思ってしまう。
 フレデリック・フォーサイスの原作とは一線を画すアクション映画。

ジャッカルの日

 ド・ゴール大統領を狙う暗殺者と、阻もうとするフランス警察との対決を描いた1973年の映画「ジャッカルの日」。
 特注の狙撃銃、偽造パスポートの入手など、徐々に手筈を整え、フランス全土に張り巡らされた警備網をかいくぐる暗殺者の動きがスリリングであり、最後までぐいぐいと引きこまれる。
 エドワード・フォックスがスタイリッシュな暗殺者を演じる。一方、追う側はマイケル・ロンズデール演じる警視で、風采はぱっとしないが老練な手腕で敵の動きを徐々に突き止めていく。
 全編緊迫感に満ちた、サスペンス映画の最高峰。

ジャッカルの日
エドワード・フォックス  アラン・バデル

アヴリルと奇妙な世界

 フランスの長編アニメーション「アヴリルと奇妙な世界」。
 科学者たちが次々と謎の失踪を遂げ、技術は1870年から停滞し、長らく蒸気機関のままの世界となっていた。連れ去られた科学者を父母に持つ孤児、アヴリルは科学の研究を続けるが、彼女自身も謎の組織に狙われることになる。
 フランスアニメ特有の繊細な色彩・造形を背景とし、物語はアイロニーをたたえつつジブリアニメばりの冒険活劇が展開される稀有の映画。  

アヴリルと奇妙な世界(字幕版)

ベイカー街の亡霊

 劇場版名探偵コナン第6作「ベイカー街の亡霊」は、野沢尚が脚本を手がけた。シャーロック・ホームズゆかりの英国を舞台にするために、何度も想を練り、脚本を書き直したとのこと。物語がしっかりとした映画に仕上がっている。
 野沢尚は、「破線のマリス」で第43回江戸川乱歩賞を受賞するなど、推理小説作家としても活躍していた。本格推理小説の祖とも言えるコナン・ドイルが生んだ、ホームズにちなんだ作品を創ることには、思い入れもあったのではないか。この映画では、ドイルへのオマージュのように、ホームズ・シリーズゆかりの登場人物や地名がたくさん登場する。

 「青い鳥」「眠れる森」「緋色の記憶」など、多くの優れた作品を生み出した野沢尚は、NHKスペシャル・ドラマ「坂の上の雲」の初稿を残して自殺してしまう。作品は高く評価され、今後も期待がされていたのに、なぜ死を遂げたのかは余人の知るところではない。しかし、きっちりと構成された職人芸的で、しかもなお透明感と奥行きのある作品世界は、今後も生き続けるであろう。

天国へのカウントダウン

 劇場版名探偵コナン第5作「天国へのカウントダウン」。西多摩市にそびえるツインタワービルをメインの舞台としたミステリー。
 本作では「黒の組織」が劇場版として初めて全面に出る。殺人事件と組織の暗躍が交錯し、サスペンスの趣が強い。また、後半はパニック映画のような怒濤の展開になだれ込む。

劇場版 名探偵コナン 天国へのカウントダウン

瞳の中の暗殺者

 劇場版名探偵コナン第4作「瞳の中の暗殺者」。警察関係者が相次いで襲われる事件に、コナンの正体である工藤新一の幼なじみ、毛利蘭が巻き込まれる。
 新一と蘭との思い出の場所となった遊園地、トロピカルランドのシーンが多く、アトラクションを駆使した後半の展開にはことに力が入っている。
 ミステリーとしての要素が色濃く、シリーズ中でも犯人の設定が際立っている。バランスの良い脚本とサスペンスに支えられた、優れた恋愛ミステリーとなっている。

 白鳥警部役の声優、塩沢兼人は、本作の公開直後に転落事故で亡くなってしまう。
 「Need not to know」の美声が今でも耳朶の奥にこだましている。

瞳の中の暗殺者

世紀末の魔術師

 劇場版名探偵コナン第3作「世紀末の魔術師」。コナンの宿敵「怪盗キッド」が劇場版として初めて登場する。
 今回はコナンの行動範囲が広く、大阪、豪華客船、古城と舞台が移っていく。これまでの作品同様、背景美術に優れており、旅をしている雰囲気にひたることもできる。
 秘宝をねらう怪盗、ロマノフ王朝の遺産、鬱蒼とした古城など、古典的ミステリーの趣をふんだんに取り入れた冒険活劇。

劇場版 名探偵コナン 世紀末の魔術師

14番目の標的

 劇場版名探偵コナン第2作「14番目の標的」。13から1までの数字が入った人物が、次々と標的となる事件を描く。ターゲットとなり負傷あるいは殺された人のそばには、名前になぞらえたトランプが残される。
 かなり力業の脚本であり、アイディアをよくここまで形にしたと感心する。探偵毛利小五郎と妻との過去も語られ、メイン・キャラクターに深みを与えている。
 速いテンポで物語が疾駆する意欲作。

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