橋爪功朗読 三国志 24
橋爪功が朗読する三国志24巻には、「イク水は紅し」「陳大夫」「増長冠」が収められている。
陳珪という、飄々とした中に智謀を巡らす老人という味のあるキャラクターが活躍する。
劉備、曹操、呂布、袁術と、群雄の駆け引きが展開される変化に富んだ巻。
橋爪功が朗読する三国志24巻には、「イク水は紅し」「陳大夫」「増長冠」が収められている。
陳珪という、飄々とした中に智謀を巡らす老人という味のあるキャラクターが活躍する。
劉備、曹操、呂布、袁術と、群雄の駆け引きが展開される変化に富んだ巻。
橋爪功が朗読する三国志23巻には、「平和主義者」「花嫁」「馬盗人」「胡弓夫人」が収められている。
殺伐とした戦のなかにあって呂布と張飛の反目はユーモアを与えてくれる。「糞賊」などの、ののしりあいには思わず笑ってしまう。
人工知能を扱ったJ・P・ホーガンのSF小説を、星野之宣が漫画化した作品。緻密な絵でダイナミックにストーリーが展開され、その画力とイメージの豊かさには圧倒される。
人工知能の実験場として用いられるスペース・コロニー「ヤヌス」は、ローマ神話に登場する二つの顔を持つ神の名からとられている。人工知能に託す人類の未来は、明暗いずれもありうることを象徴している。
現在、大量のデータ処理は、いまや当たり前のように行われている。例えばスマートフォンの音声認識に見られるように、その処理能力と実用化は飛躍的に進んでいる。コンピュータは社会の隅々まで普及し、社会システムそのものに関わってきており、1979年に出版された「未来の二つの顔」のテーマは、もはや現実に対峙しなければらならい問題となっている。
ヤヌスは、過去と未来の間に立つ神とも言われている。"Janus"は、英語の1月"January"の語源でもある。
多様な技術が進展するであろう2013年、その技術は、顔を明るく照らすものになっていくのであろうか。
未来の二つの顔 (講談社漫画文庫)
星野 之宣 P・ジェイムス・ホーガン
古代中国、夏王朝の傑王と、商の湯王との激突を軸に、時代を懸命に生きる人々を描く宮城谷昌光の小説「天空の城」。下巻では、湯王は伊尹を三顧の礼をもって迎え、伊尹は臣として縦横の活躍をする。
宮城谷昌光の小説の凄いところは、物語がいよいよ終わりに近づくに従い、主人公が著者に乗り移ったかのような清澄な境地に達していくところである。終章「桑林の雨」は、淡々とした筆運びでありながら、真に充足した読後感を与えてくれた。
2012年最後の日に、この小説が読了できたことを喜ばしく思う。
「天空の舟」は、古代中国の王朝夏と、新興勢力商の攻防を描く宮城谷昌光の小説。主人公伊尹(いいん)は、夏と商の両王と関わりを持ち、数奇な転変を遂げ、王朝の興亡に影響を与える。
文字すらない時代の歴史を掘り起こし、鮮明に活写される物語には感嘆する。巧みな伏線を持ち、人々の情感を豊かに描写する、まさしく一級の歴史小説。
NHK100分de名著 アインシュタイン『相対性理論』は、「動いているものは時間の進み方が遅くなる」などの、相対性理論から得られる現象を、分かりやすく解説している。
テレビでは映像を用いて、親しみやすい工夫がなされていた。テキストも、図や写真を併用しながら、なるべく数式を使わずに説明がなされている。
GPSの人工衛星では、秒速4kmで地球を周回しているため、時間が1日にほんの少し遅れる。また、重力が弱いので時間がわずかに進む。それらを加減した値を補正して、GPSの時刻は運用されている。つまり、相対性理論の一見信じがたい結論は、実際に応用されているのだ。
宇宙規模で物事を捉え、原子レベルの正確さで時間が計測できるまで、科学がマクロとミクロの両面で進化を遂げたことにより、相対性理論の実証がなされ、実生活でも応用されている。その事実を多くの人に的確に伝えるだけでも、このテキストの意義は大きい。
「半落ち」は、妻を殺害した元警察官をめぐる小説。警察、検察、裁判官と、それぞれの眼から事件が描かれる。映画では、寺尾聰の陰のある演技が印象に残る。
半落ち (講談社文庫)
横山 秀夫
ミステリーの女王、アガサ・クリスティによる、中近東を舞台にした作品のひとつ。登場人物の心理描写が巧みで、トリックのみによりかかるミステリーとは一線を画す。
ポアロが登場する作品であり、お約束の関係者一同を集めての謎解きも見事な展開である。
名作「ABC殺人事件」と同時期に書かれた傑作。
メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー Agatha Christie
前半の勢いに比して、終盤の情けなさは、いったいどうしてしまったのだろうと思う。これほど尻つぼみな大河ドラマは初めてだ。
源平合戦が台詞だけで説明され、まったく合戦シーンがないというには驚いた。源頼朝や弁慶もほとんど説明がないまま最期をとげ、あまりにあっけない。序盤の兎丸との船上戦闘で予算を使い果たしてしまったのではと思われるほど。
いい感じの始まりだっただけに、残念。勢いや成り行き任せ、俳優の演技のみに頼ったドラマではなく、緻密な脚本に基づいた、最期までしっかりと足が地に着いたドラマになってほしい。
「大河ドラマ」と名が付くからには、滔々とした流れが大海に注ぐような寛やかなラストに繋がるよう願っている。
横山光輝による潮漫画文庫版「三国志」第4巻。孫堅、董卓、呂布、曹操それぞれの戦いが描かれる。
なんと言っても、この巻の白眉は、貂蝉の描写にある。絶世の美女と謳われた貂蝉を、清楚な女性として描き、読み手の心をくすぐる。
三国志 (4) (潮漫画文庫)
横山 光輝
最近のコメント