バララッシュ 1

 福島聡氏に、取材協力のお礼として「バララッシュ」の第1巻を寄贈いただく。見てまわられた場所が、見事に漫画の背景として表現され、その画力にあらためて感嘆する。
 1987年、アニメをこよなく愛する高校生山口は、抜群の絵の才能をもつ宇部と出会う。「風の谷のナウシカ」「機動戦士ガンダム」「王立宇宙軍オネアミスの翼」「うる星やつら2」など、映画・テレビアニメを共に鑑賞し、やがて二人はアニメ制作のプロの道を歩み始める。
 アニメの傑作が次々と誕生した1980年代を舞台に、夢に向かって進む男たちを描く王道の青春漫画。

バララッシュ 1巻 (ハルタコミックス) [ 福島 聡 ]

高崎高校 第66回 翠巒祭

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 緑萌える6月2日・3日の2日間、群馬県立高崎高等学校の文化祭「翠巒祭」が行われた。2018年、第66回となる今年のテーマは、”Super Crew”。スパークルと読み、パワーを発揮すると共に「おもてなし」の心を忘れないという意味が込められているとのこと。
 今回、次男が描いた孔雀を主題にした絵が、ポスターとパンフレットの表紙に採用された。「狂気的なまでに奇抜な潜在力」を構図と色合いに表現したとのこと。

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 アーチはロシアのサンクトペテルブルグにある「スモーリヌイ聖堂」を模したもの。初日の朝にはまだ制作が行われていたが、12時には無事に来場者を迎え入れることができたようだ。

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 2日目の9時のオープニング15分前に来場したが、すでに多くの人がアーチの前に行列を作っていた。開場と共に吹奏楽のファンファーレが鳴り、祝祭的な雰囲気を醸していた。

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 アーチの青と白のコントラストが爽やかに映える。内部の装飾も洗練されており、日常と非日常を区切る役割を果たしていた。

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 校舎入り口・出口の装飾は、次男がチーフを努める美術課が制作した。夢のある伸びやかな絵が校舎内へと誘う。

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 校舎からの出口の絵は、次男自らが手がけたもので、門に合わせて弁髪のファンキーな高高生を配した。門の両側には、サンスクリット語を模して Takasaki High School の頭文字”THS”と"suiran"の文字が見える。

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 壁の絵も次男が手がけた作品。黄色地に赤く書かれた絵は、人類の栄枯盛衰を表現しているとのこと。よく見るとラスコーの壁画やスカイツリーらしき文様も書かれている。

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 校内に入ると、国籍不明の門が迎える。

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 中庭では、和太鼓部の演奏が始まっていた。勇壮な動きとリズムはいつもながら切れがいい。

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 校舎一面に掲げられた壁画は、ロシアの「聖ワシリイ大聖堂」をモチーフとしたもの。全校生徒の手によるモザイク画であり、コントラスト鮮やかな色合いが初夏を思わせる陽光を受けてひときわ映えている。

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 喫茶室も装飾が凝っており、人魚のいる海をチョーク画と模型で表現していた。窓に貼られた切り絵も校舎の緑と共に和みの空間を演出する。

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 校庭の模擬店もたいへん盛っていた。日差しも照りつけ、飲み物の売店には長蛇の列ができていた。次男は非番であったが、仕事を求めてゴミの当番にあたり、にこやかに対応
していた。

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 午前11時半から翠巒会館でマンドリン部のコンサート。2月の県大会で2位となったため、7月末に大阪で行われる全国大会に出場する。大会での演奏曲である久保田孝作曲「舞踊風組曲第3番」は、県大会のときよりも練度が増していた。

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 体育館で吹奏楽部の華やかな演奏を聴く。

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 校舎に戻ると、中庭でマンドリン部のアンサンブル演奏が行われていた。開放的な中、リラックスした演奏で楽しませてもらった。

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 長男、次男と子どもが在籍する6年間、続けて翠巒祭を訪れた。いずれも文化・芸術の香りと高校生の熱気にあふれた素晴らしい文化祭であった。
 平成最後の翠巒祭は、次男も多くの役割を担い、青春のひとときを燃焼させた。この体験は、自信となり将来の糧となることであろう。今後、「狂気的なまでに奇抜な潜在力」が学習にも発揮され、必ずや自らの進路を切り開くことと信じている。

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 「バラの香におう 学び舎にて 友よ」

 大輪のバラの花は高高生の活動を見守り、年を経ても変わらぬ彩りを添えている。清新溌剌とした若者が飛躍を遂げる学舎であり続けてほしい。

高崎高校 翠巒祭 2018 
 

ペット

 ニューヨークを舞台にして、飼い主の居ないときに活動するペットを描いたCGアニメーション。クリス・ルノーとヤーロー・チーニー監督による2016年公開作品。
 ペットの動きが愛らしい。マンハッタン、ブルックリンの描写が素晴らしい。気軽に家族で見られる映画。

ペット (吹替版)

バットマン

 ティム・バートン監督の「バットマン」は、1989年のアメリカ映画。ゴッサム・シティの造形やジョーカーの衣装、敵味方双方のガジェットなど、美術がたいへん凝っており、終始暗い雰囲気をまとう画面に魅力を与えている。
 なんといっても、ジャック・ニコルソン演じる敵役ジョーカーが鮮烈。普通の佇まいでさえ異常さがにじむジャック・ニコルソンが、バットマンへの復讐に燃えこのうえない狂気を炸裂させる。終始陰鬱なバットマンと、ジョーカーのコミカルな振る舞いが対をなし、異形が紡ぐ独自の世界を創り上げている。

バットマン [Blu-ray]
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昭和ちびっこ未来画報

 昔の少年誌には、見開きで未来を予想する絵がよく載っていた。空中を浮遊する車であふれた都市や、海中都市の様子など、未来をリアルに描き、子どもたちの想像力をかき立てた。
 小松崎茂、伊藤展安など画伯の絵には説得力が感じられた。
 中には、高速道路でスピード違反をする車を排除するロボット、手紙をロケットで外国に運ぶ郵便システムなど、奇妙な描写もあるが、ツッコミどころのあるパノラマを大まじめに作っていた。
 どのページをみてもほほえましくも楽しい本であり、夢がある時代の良さを感じさせてくれる。当時の想像力の産物が実現したものもあるが、来なかった未来も多い。
 現在の子どもたちは未来にどんなイメージを持っているのだろうかと、ふと考えさせられる。
 夢のあった、わくわくした時代の空気を感じる貴重な本。  

昭和ちびっこ未来画報
初見 健一
486152315X

裏切りのサーカス

 東西冷戦下のヨーロッパを舞台としたジョン・ル・カレのスパイ小説を原作とする映画「裏切りのサーカス」。イギリス諜報部を追われた老スパイ、スマイリーは、ソ連の二重スパイを探し出す任務に就く。
 人間関係が錯綜し、見ている者を迷宮のような事実関係の世界に落とし込む。古きヨーロッパの佇まいを背景に、重厚でゆったりと物語は進む。終始曇天の中、焦燥を感じる雰囲気を醸しているが、それがこの映画ならではの魅力でもある。
 ゲイリー・オールドマンの知的な老スパイが静かでありながら圧巻の存在感を示す。深みのあるスパイ映画の傑作。

裏切りのサーカス (字幕版)

グリーン・デスティニー

 「グリーン・デスティニー」は、2000年公開の映画。ワイヤー・アクションを多用し、その流れるような動きが見どころのひとつであるが、普通に映画としての魅力を持っている。
 背景も含め映像美が素晴らしい。タン・ドゥンの音楽も物語に奥行きを与えている。第73回アカデミー賞における外国語映画賞、作曲賞など4部門受賞作品。

グリーン・デスティニー [Blu-ray]

グレートウォール

 万里の長城を舞台にしたマット・デイモン主演の映画「グレートウォール」。強力な武器を求めて世界中を旅するウィリアムは、たどり着いた万里の長城で壮絶な戦いに巻き込まれる。
 色分けされた甲冑に身を包んだ兵士たちの戦いぶりが鮮やか。様々な武器にも驚かされる。女将軍ジン・ティエンの美しさが際立つ。
 アクション大作であるが、チャン・イーモ監督の色彩感覚と構成感により明るさを感じる映像となっている。リクツ抜きに楽しめる壮大なエンターテイメント。

グレートウォール(字幕版)

楽園のカンヴァス

 原田マハによる「楽園のカンヴァス」は、アンリ・ルソーの名画「夢」をめぐる小説。現代と1900年代初頭のパリを交錯させながら、日曜画家と揶揄されたルソーの真の姿に迫っていく。ウッディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」を思わせる雰囲気もある。
 絵画とそれに関わる人々をモチーフに、巧みなストーリーで読み手を魅了する傑作アート・ミステリー。

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

黄金のアデーレ 名画の帰還

 グスタフ・クリムトが描いた「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ⅰ」。元々個人所有であったこの絵は、ナチスによって収奪され、オーストリア政府の所有になる。この絵の返還をめぐる裁判を描いた映画。
 老女と若手弁護士の軽妙なやりとりに、クリムト、シェーンベルクなど19世紀末のウィーンの文化と、ナチスドイツの台頭、ユダヤ人の迫害など史実の重みが加わっていく。
 文化と歴史が交錯する、多層的で上質なヒューマン・ドラマ。

黄金のアデーレ 名画の帰還(字幕版)

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