NHK「美の壺」ブルーノート・コレクション
NHKの「美の壷」で使用されたブルーノートを厳選したCD。アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」を皮切りに、11の名曲が収められている。「くらしの中の美」を紹介する番組「美の壷」。和の空間にジャズがよくマッチしてハイセンスな雰囲気を醸し出している。
NHK「美の壺」ブルーノート・コレクション
アート・ブレイキー デューク・ジョーダン アンドリュー・シンプキンス
NHKの「美の壷」で使用されたブルーノートを厳選したCD。アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」を皮切りに、11の名曲が収められている。「くらしの中の美」を紹介する番組「美の壷」。和の空間にジャズがよくマッチしてハイセンスな雰囲気を醸し出している。
NHK「美の壺」ブルーノート・コレクション
アート・ブレイキー デューク・ジョーダン アンドリュー・シンプキンス
プラネタリウムでKAGAYAのCGによる「銀河鉄道の夜」を観る。360°全方向に広がる幻想的な世界に魅了される。「銀河鉄道の夜」の星めぐりを、実際に旅しているかのように体感できる。廃線となっている岩手軽便鉄道をモデルとした機関車が、銀河の星々を進む。あまりに美しい風景に包まれ、息をのむ。視点は汽車の内部から鳥のように上から眺める場所まで自在に移動し、飛翔する感覚になる。
宮沢賢治の世界を透明感溢れる光と緻密な造形で伝える、まさに夢見心地の映像。
銀河鉄道の夜 [DVD]
宮沢賢治
シュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリを描いた作品。ニューヨークに訪れた有名人を迎える記者たちの前に、フランスパンを頭にのせた奇妙な男が現れる。フランスでその絵画と奇行によりセンセーションをまきおこしたダリであった。あまりに変な言動に、多くの記者たちはあきれるが、興味をもったタイムズ誌の記者は、ダリに単独会見を申し込む。ホテルの一室で、ダリはその記者に生い立ちを語り始める……。
主役の人は、エディ・マーフィーのようなノリ。乳房のあるヒットラーとか、ゆがんだ時計とか、引き出しのあるビーナスなど、おなじみのダリの世界はあちこちに現れるが、全体としてはダリの生涯の転機をきちんとたどった、思ったよりまともな伝記ものの映画だった。ダリも見てないか。
ダリ 天才日記 [VHS]
ロレンツォ・クイン, ビト&リカルド・ディ・バリ
おしぼりによる「ヒヨコ」「イチゴ」「人形」などの作り方を示した本。「外科医の顔」「土下座する人」「出っ歯のウサギとタラコ唇のウサギ」など、ページをめくるごとに、ユニークなおしぼりアートの数々がユーモラスな解説と共に繰り広げられる。
こどもたちも、おしぼりを使ってトライをしていた。凹凸の微妙な表現で雰囲気が変わり、思い通りの形にするのは意外と難しいが、それだけに想像の余地があって楽しめる。
あったかいおしぼりのように、心に潤いを与えてくれる一冊。
ヤマダ電機の「旗艦店」が高崎駅に隣接してオープンした。プリンタのインクを買いがてら家族で出かけたが、たいへん混雑している。最上階には、レストランが軒を並べているようなので、子どもがゲーム機で遊んでいる間に偵察するが、結構いい値段。とりあえず、お昼は何を食べたいかと子どもに聞くと、「栄寿亭のカツ丼」と長男が答える。
栄寿亭は、駅から歩いて10分ほどの場所にある素朴な食堂。メニューのカツ丼は、和風のだしを使った飽きのこない味。400円という安さもあり、この味を求めて来る人は多い。カウンターは15席しかなく、昼時は立って待っている人が列をなす。お弁当の注文もひっきりなしにある。 帰りがけに高崎哲学堂のそばを通ると、「彫刻をめぐる空間」というプレートが立っている。以前、「ウェグナーに座ろう」という企画展で一度訪れたことがある。今回、無料で公開しているようなので、門をくぐり緑に囲まれた古風な邸宅に入る。
玄関には、無造作に三角形のオブジェが置かれている。田中栄作氏の「山」という作品のようだ。邸内に入ると、アントニン・レーモンが設計した和洋が調和した部屋に、人や動物のブロンズ像などがそこかしこに配置されている。椅子に座り、ゆっくりと見回し、独特の空間を味わう。さりげなく、佐藤忠良氏の「ミーマア」というブロンズ像も置かれている。 人もほとんどいないので、猛暑の中歩いてきた子どもたちは和室に寝そべってしまう。その手の届くところに、大きな椅子にの林檎がのっている深井隆氏の作品がある。畳に寝ながら彫刻と庭を同時に鑑賞できるとは、なんとも贅沢な空間。
庭先におかれたオブジェは、すがしい竹を背景に独特の趣を醸している。茂木康一氏の銀色のオブジェが、緑に囲まれた中で夏の陽を反射し、柔らかな存在感を示す。 これらの作品は、高崎市美術館が増築工事で休館となっているため、隣接する高崎哲学堂に展示されることになったもの。彫刻たちは、哲学堂と庭園によく調和し、緑と響き合いながら高崎の文化の息づかいを静かに伝えていた。
脳科学者、茂木健一郎と、芸術の一線で活躍している人々との対談集。町田康、金森穣、山下洋輔、立川志の輔、荒川修作の各氏と熱のこもった対談が綴られている。茂木健一郎は、各氏からうまく話を引き出し、アクティブに生きる力の源や方向を示している。各氏がヴィヴィッドな言葉で語る芸術のフィールドやバックグラウンドは様々だが、『未来に向き合うのに必要な「前に進む衝動」を与えてくれる』点で共通している。
芸術の神様が降りてくる瞬間
茂木 健一郎 町田 康 金森 穣
「ノルシュテインの作品はすべて、いわば夢のフィルターをとおして世界をみているような気分にぼくらを誘い込む魔力をもっている。」
1982年1月23日、日仏会館で「セロ弾きのゴーシュ」の完成試写会が行われた折りに、高畑勲監督、美術担当の椋尾篁氏などから挨拶があった。仕事の合間に、コツコツと作ってきたアニメーションへの思いが語られた。
その試写会で併映された「霧につつまれたはりねずみ」は、「ゴーシュ」の高畑勲監督にとっても、ノルシュテイン作品との最初の出会いだった。
ノルシュテインの作品である「話の話」は、古今のアニメーションの中でも抜きん出て芸術性が高く、難解な作品。赤ん坊を見つめる狼、ミノタウルスと少女の縄跳び、もの悲しいタンゴの調べで踊る男女から、ひと組ひと組パートナーが消え残される女性たち。繰返し現れるリンゴ。それらのシークエンスから、作者は何を語ろうとしているのか。
高畑勲氏は、アニメージュ文庫「話の話」の中で、この作品を詳細に解説している。その文学的香気に満ちた解説から、「話の話」の意味と価値が見事に浮き上がる。
「話の話」をさらに鑑賞したいと思うと同時に、一つの映像から、これだけ多くのことを読み取り、思索し、語ることができるのかと、アニメーション作家の想像力と表現力に脱帽した。
話の話 (アニメージュ文庫 (F‐006))
高畑 勲 アニメージュ編集部
2008月1月1日 - 今年は、ねずみ年。届いた年賀状も、様々なネズミをあしらったものが多い。中には、ハリネズミもみられる。まるっこい形と、ハリで身を守るという健気さが愛嬌を醸す。
ハリネズミを目にすると、学生の頃に見た映画が思い出される。今から26年前、1982年1月23日に東京御茶ノ水にあった日仏会館(現在は恵比寿に移転)で見た、「霧につつまれたハリネズミ」だ。高畑勲監督の「セロ弾きのゴーシュ」の完成試写会に出かけたのだが、「ゴーシュ」の前に上映されたのが、この「霧につつまれたハリネズミ」だった。
それは不思議な映画だった。ロシア語で字幕もなく、スクリーンに映し出されたジャムを包んだ袋を持ちながら森の中を歩く小動物に目をこらした。言葉は分からないが、その小動物、ハリネズミの心の動きが、画面から伝わってくる。いつしか、森のちょっとした変化に好奇心をもち、驚き、畏れ、ハリネズミと同じ体験を味わっていた。こぐまと会えたことには、心からの安堵を覚えた。アニメーションの芸術を追究するロシアのユーリ・ノルシュテインによる作品との出会いであった。
絵を組合せ、少しずつ動かしながら制作される手作りのアニメーション。その手間のかかる作業から紡がれるノルシュテインの映像は、遠い日を思わせるような深い抒情を持っている。たとえ諷刺が含まれていたとしても。
気の遠くなるような作業と、生み出される作品の力。この1年、自分は何を紡げるのだろうか。テーマの普遍性が、作品の根底を支えていることがヒントになりそうだ。
きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)
Yury Norshteyn Francheska Yarbusova Sergey Kozlov
モーリス・ベジャールが、11月22日に亡くなった。80歳。
ベジャールの振り付けたバレエ「ボレロ」を、生で一度だけ見たことがある。確か1993年5月だと思ったが、五反田のゆうぽうと簡易保険ホールでの、来日公演であった。ダンサーの名前も、「ボレロ」以外の演目も忘れてしまったが、その躍動感溢れるバレエは今なお記憶に新しい。
それと共に忘れがたいのは、休憩時間のサロンでの光景。当時、テレビ番組「題名の無い音楽会」の司会をつとめていた黛敏郎、女優の岸田今日子、東京都交響楽団の首席指揮者若杉弘の三氏が談笑をしている姿だ。黛氏が手振りを交えながら楽しそうに話し、それを両側の二人がにこやかに聴いている情景がたいへん印象に残っている。黛、岸田の両氏も亡くなられてしまったが。
「愛と悲しみのボレロ」は、露、仏、独、米で活動していた音楽家、舞踏家の4つの家族がたどる、激動の45年間を描いたクロード・ルルーシュ監督の映画。モーリス・ベジャールは、この映画の振り付けで不朽の名声を得た。
輪廻を想起させる「ボレロ」は、モーリス・ベジャールを偲ぶ音楽にふさわしいと感じる。
愛と哀しみのボレロ
ジェームズ・カーン ロベール・オッセン クロード・ルルーシュ
高崎哲学堂に家族で行く。高崎哲学堂は、市内の実業家であり地元の文化に多大な貢献をした井上房一郎(1893~1993年)氏の旧私邸。普段は開放されていないが、高崎デザイナーズアクト主催の企画展「ウェグナーに座ろう」が開催されていたので、中に入ることができた。
ハンス・J・ウェグナー(1914~2007年)は、デンマークの家具デザイナー。企画展では、邸宅の内外にある椅子に実際に座ることができた。見た目も美しいが、座ると実に心地よい。静かな環境音楽が流れており、いつまでも座っていたい気分になった。木の温もりに溢れた邸宅内も趣があり、ほんとうにくつろげる空間だった。
高崎哲学堂を出た後、隣にある高崎市美術館に行く。三沢厚彦氏による、木彫りの動物が多数展示されていた。ユーモラスな雰囲気がある動物たちに囲まれた空間を、子どもたちも楽しむ。壁に張り付いたヤモリなどの隠れキャラクターを探して喜んでいた。
台風一過で、高崎公園から眺望する観音山に沈む夕陽も美しい。やはり自然の造形は何にもまして心を和ませる。
様々なアートに触れることのできた快晴の日であった。
ハンス・ウェグナーの椅子100 (コロナ・ブックス)
織田 憲嗣 丸山 彰一 林 義夫
最近のコメント