秋のソナタ

 「冬のソナタ」ではない。韓国のドラマが流行するずっと以前から、ブラームスの音楽は「秋のソナタ」と形容されていた。木々の葉が色を変え、澄んだ青空にふと冷気を感じ始めると、ブラームスの音楽が心に染みいる季節。
 そのブラームスの中でも、交響曲第4番は、「秋のソナタ」をまさしく体現している曲である。
 個人的にはカラヤンのベルリン・フィルとの1963年の演奏が、初めて聴いたブラームスの交響曲であり、愛着がある。第1楽章の枯葉がはらはらと舞い散るような演奏に、深い憂愁を感じ、それ以来ブラームスに惹かれるようになった。ブラームスは生涯伴侶を持たなかったが、音楽が人生に寄り添っていたことを実感させてくれる。

ブラームス:交響曲第4番
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン
B00005FIOL

ウルトラQ BGM

 ウルトラQのBGM集を聴く。
 ウルトラQを見たことのある人で、最初のメインタイトルを聴いて流体状のマーブル模様が「ウルトラQ」の文字になる映像を思い出さない人はいないだろう。そして、あのテーマ曲、「これから30分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入ってゆくのです…」という石坂浩二のナレーションのバックに流れる音楽にワクワクすることだろう。
 宮内国郎の音楽は、どれも潜在意識に働きかけてくることが、音楽のみを聴いてはっきりと分かった。このシリーズを名作たらしめるに大いなる役割を果たしている。
 聴いてしまうと、無性に本編の映像が見たくてたまらなくなる。

〈ANIMEX 1200シリーズ〉 (54)
テレビオリジナル BGMコレクション ウルトラQ (限定盤)

TVサントラ スタジオ・オーケストラ 宮内国郎
B0001A7VBU

チャイコフスキー 交響曲第5番

 昨日聴いたショルティのチャイコフスキー交響曲第6番がいまひとつ気持ちにフィットしなかったので、今日はカラヤン指揮、ウィーンフィルのチャイコフスキー交響曲第5番を聴く。1984年の演奏。
 これは本当に楽しめた。白樺の小道を歩むような冒頭から、劇的な展開へと進む第1楽章。優美な旋律が奏でられる第2楽章。伸びやかでユーモラスな雰囲気を持った第3楽章。どの楽章も曲にすっと入っていけ、素直に味わえる。カラヤンは、美しい旋律を楽器に歌わせるのが本当にうまい。聴き手のツボをつくかのような絶妙のタイミングでそれぞれのパートを浮き上がらせる。また、瞬時に変わる曲の表情の変化もぐっとくる。
 なにより、この第4楽章の高揚感は凄い。弦も管も渾然となって盛り上げる終盤に、CDであるにもかかわらず身を乗り出して聴き、終わった後には拍手をしそうになった。
 クラシックの楽しさを満喫できる名盤。

チャイコフスキー : 交響曲第5番ホ短調
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン(ヘルベルト・フォン)
B00005FJ79

チャイコフスキー 交響曲第6番

 一種の対比の現象であろうか。ベートーヴェンの華麗なピアノ協奏曲や明朗な響きを持つドヴォルザークの曲の後でチャイコフスキーの交響曲第6番の冒頭を聴いたので、う~暗いな~と感じてしまった。第1楽章の起伏の激しいドラマのような曲は、運命を乗り越えようとするベートーヴェンとも、良いものを掬い上げようとするドヴォルザークとも質を異にして、個人の呻吟のように聞こえる。しかし、第1楽章を聴き終える頃には共感してしまうのは、旋律の美しさゆえだろうか。第2楽章のメランコリックな叙情に浸り、第3楽章の最期の乱舞に圧倒される。そして、人生の帳を静かにおろすかのような終楽章。
 今日聴いたゲオルグ・ショルティ指揮、シカゴ交響楽団の演奏は、比較的あっさりとした印象がある。もう少し情感のある表現が欲しい気もするが、抑制によって、かえって曲の美しさが際だっているのかもしれない。

チャイコフスキー : 交響曲第6番ロ短調「悲愴」
シカゴ交響楽団 ゲオルグ・ショルティ
B00005FLQA
 

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番

 ツィマーマンによるピアノ、バーンスタイン指揮、ウィーンフィル演奏のベートーヴェンピアノ協奏曲第5番を聴く。ツィマーマンの透明で輝くピアノの音に、冒頭から魅了された。バーンスタインによるウィーンフィルの流麗な演奏も素晴らしい。第1楽章もよいが、崇高な雰囲気を持った第2楽章にピアノとオーケストラの真価が現れているように感じた。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番
ツィマーマン(クリスティアン) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
バーンスタイン(レナード)
B0000CD7XD

ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番

 どこか懐かしく、暖かみのあるドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》。
 やわらかい秋の日差しのもとで聴くのもよいのでは。

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番
スメタナ四重奏団
B000228WB0

坂本龍一 音楽図鑑

 1980年前後、「ライディーン」や「テクノポリス」などのYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のテクノ・ポップが一世を風靡した。「音楽図鑑」は、坂本龍一がYMO解散後に初めて発表した1984年のアルバム。
 独特の雰囲気を持つヴァラエティに富んだ楽曲集で、音楽とはこんなに多様な表現があるのかと気づかせてくれる。BGMに良いかもしれないし、じっくり耳を傾けて繊細な音作りを味わうのも良いかもしれない。気分によっては全く受容れられないかもしれない。プリズムのように、こちらが入っていく角度で返ってくるものが変わるアルバム。

音楽図鑑完璧盤
坂本龍一
B0000073JG

ドヴォルザーク 弦楽セレナーデ

 オルフェウス室内管弦楽団の、「ドヴォルザーク 弦楽セレナーデ ホ長調」のCDを聴く。極めて精緻なアンサンブルで、次々と美しい旋律が溢れる素晴らしい演奏。
 このCDには、「ドヴォルザーク 管楽セレナーデ ニ短調」も収められている。中世の舞踏のような旋律から始まるこの曲も、一度聴いたら忘れがたい魅力がある。

ドヴォルザーク : 弦楽セレナーデホ長調
オルフェウス室内管弦楽団 ドヴォルザーク
B00005FIUT

ポリーニ ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番

 マウリツィオ・ポリーニ:ピアノ、ベルリンフィル演奏、クラウディオ・アバド指揮、ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番・第4番のCDを聴く。ベートーヴェンといえば、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」がポピュラーだが、第3番もなかなかよい。親しみやすいメロディーと、華麗なピアノ、活躍するオーケストラが楽しめる。
 ポリーニの明快で澄んだピアノの音は、華やかなベートーヴェンの曲の魅力を浮き上がらせてくれる。アバド-ベルリンフィルの演奏も、ピアノによく和して理知的な音楽を作りあげている。
 ベートーヴェンの偶数番目の曲は、交響曲も協奏曲も、奇数番に比べて地味な印象のものが多い。ピアノ協奏曲第4番も、やさしい面持ちであるが、それだけに技量が問われる曲でもある。この演奏では、力んだところがなく、自然な流れの音楽を安心して楽しむことができる。技巧に裏打ちされているからこそ、包容力のある音楽が作れるのであろう。
 第3番と第4番がカップリングされたCDはあまり出回っていないようだが、第4番&第5番のCDは人気があるようだ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番&第4番
ポリーニ(マウリツィオ) アバド(クラウディオ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
B00006HB8W
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番
ポリーニ(マウリツィオ) アバド(クラウディオ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
B00006BGS9

ボレロ 小澤征爾

 同じ旋律が楽器を替えて繰り返され、徐々に大きなオーケストレーションとなっていく、ラヴェルのボレロ。その単調さゆえに、かえって指揮者と演奏者の力量が如実に表れる。
 特に気に入っているのは、小澤征爾、ボストン交響楽団の1974年の演奏。明るさと推進力があり、飽きることがない。最初に聴き終わったときには、盛り上がりのすごさに圧倒され、汗をかいていた。2次関数的な昂揚がある。
 手元にあるのは、グラモフォン・ガレリアCDシリーズで、ボレロの他に「海の小舟」「古風のメヌエット」「道化師の朝の歌」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ラ・ヴァルス」の6曲が収められ、小粋さも楽しめる。

 ラヴェル:ボレロ
ボストン交響楽団 ラヴェル 小澤征爾
B00005FI9T

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