癌と戦う人々と、遺伝子治療のメカニズムを交互に描くドキュメンタリー。遺伝子のCGが見事で、子どもたちもディスプレイの前に釘付けになっていた。深いテーマをもった実写とコミカルな動きを伴った精緻なCGが絶妙のバランスで配置され、極めて密度の濃い50分間の映像になっている。
NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体III 遺伝子~DNA 第2集 つきとめよ ガン発生の謎~病気の設計図~ [DVD]
大滝秀治
NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体III 遺伝子」第1集では、遺伝子のメカニズムを実写とCGでひもとく。
創造主が生み出したあまりに精緻なしくみに、ただただ圧倒される。
NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体III 遺伝子~DNA 第1集 生命の暗号を解読せよ~ヒトの設計図~ [DVD]
大滝秀治
やる気のない部下を、半年間で最高の成績を上げるまでに成長させたアメリカ海軍の艦長による実践記録「即戦力の人心術」。
軍隊の厳しい規律の中、著者は従来の艦長が行わなかった様々な方法で部下のやる気を引き出していく。ビジョンを明確に示し、メンバーを信じ、適性を見抜いて仕事をまかせ、達成感により誇りを持たせる。また、仕事をしやすい環境を作り上げることを徹底して行っていく。本書には、あらゆる組織で応用できる具体的な方法が満載されている。
一面、学園ドラマのノリのような場面もあるが、皆で何かを成し遂げ、ハッピーな気分になることが、組織にとって大きなプラスとなることが実感できる。
爽やかな感動をよぶビジネス書。
即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
Michael Abrashoff 吉越 浩一郎
「『学び合い』を共に学び合うセミナー」に参加する。初めに、西川純先生による情熱的な基調講演。「学び合い」における教師の役割など、保護者にも伝わりやすい話しをなされていた。「学び合い」で培った子どもたちの姿勢が、その子たちの将来につながることを力説されていた。余分なことをそぎ落とした、それゆえに力強い講演であった。
その後、保護者による発表があった。4組の発表があったが、子どもと親とのやりとりで語られる方もいらした。子どもがどのように変わっていったのか、親御さんの目からみた様子が語られ、説得力があった。特に、クラスの中にかけ算九九ができない子がいて、その子のことが親子の話題になる話が印象に残った。その子にクラスの皆が教え、それでもなかなか8の段ができないので、テストに8の段がでなければいいと思っていたが、出題されてしまった。そのことで、自分の子どもが泣いていたという話がなされた。でも、結果としてその子は、テストで無事に答えることができたので、親子で喜び合ったという話であった。親子で他の子の学習に誠実な関心を寄せ、成長を共に喜ぶことができるという姿に感動した。「学び合い」は、学ぶことそのものの意味を実感できるということを象徴する話であった。
その後、先生方の実践発表がなされたが、保護者の方々の話のほうが印象に残った。伝えるという点では、今回は教師より保護者の方が上ではないかと感じた。
教師・子ども・保護者の三位一体で構成されたことに、このセミナーの大きな意義があると感じた。
ナポレオンの生涯を、息子による伝記の音読でたどる。
「わたしの辞書に不可能という言葉はない。」という台詞で象徴される、独裁者というイメージが強いが、フランス革命後の混乱を収拾した努力と勇敢さが基盤にあることがじっくりと描かれている。
政治や文化に対しても大きな功績を残している。エジプト遠征の折には多くの学者や技師、画家を引き連れて古代文明の調査に寄与した。また、「ナポレオン法典」により、民衆の側に立った社会改革のしくみを取り入れた法律を整備し、教育制度を整え、度量衡の単位を統一し、国道や運河の建設で交通の便を良くするなど、社会的な貢献も大きい。
いまなお世界中にその名を知られているのは、戦争の功罪という面だけでは語れない様々な要素を後世に残しているからだということが分かった。リーダーの条件を、子どもと共に語り合うきっかけとなる本であった。
「文字」「暦」「地図」など、古代からの発明から、「米」「アイスクリーム」などの食べ物、「鍵」「傘」などの身の回りのもの、「化学元素」「超伝導」など科学上の発明・発見まで300項目以上を漫画やイラスト、文章で解説した集英社版「世界の発明・発見事典」。
子どもに買ったのだが、大人が読んでも面白い。たゆまぬ向上心と探求心が生み出した、多様な人類の英知を感じ取ることができる。
「天は自ら助くる者を助く」
サミュエル・スマイルズの世界的ロングセラー「自助論」。努力・勤勉・忍耐・独立・誠実の重要性を、膨大な例で語る著作。1858年、イギリスが世界最強の国であった時に書かれた本であり、文章に勢いを感じる。
日本では明治4年に中村正直の訳により「西国立志編」として出版され、100万部の超ベストセラーとなった。その独立と向上をうたった文章は明治の青年たちを奮い立たせ、近代化を推進する精神的な支柱のひとつとなった。
2008年、アメリカではサブプライム・ローンの破綻を切っ掛けとして金融システムが混乱をきたし、経済は下落の一途を辿った。日本でも過度な外需依存の弊が現れ、企業はことごとく業績の下方修正をし、経営の見直しを余儀なくされた。金融至上主義のヴァーチャルな部分がはがれ落ちた1年であった。マネーゲームの一時的な成功者の陰で、努力・勤勉・忍耐という言葉は軽んぜられていた風潮も一部にあったが、今年は、地道な努力で経済の混乱を修復しなければならない。
2009年は、真の実力が試される年になろう。日本においては、長い間地道に培ってきた高い技術力に、より目が向けられ評価される年になるのではないか。それはもとより、努力・勤勉・忍耐のたまものである。
自助論は、150年の時を経てなお多くの人に読まれている。この本を「古い」とか、「あたりまえ」と一蹴するのは簡単である。しかし、本気で向き合って初めて見えるものが世の中にはたくさんある。
年頭にあたり、古典的名著を掲げたい。
ドラえもんの学習漫画シリーズだが、内容は意外と侮れない。文章を書く初心を丁寧に示している。
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