予期せぬ出来事
ロアルド・ダールの奇妙な味わいの短編小説を映像化したテレビ・シリーズ「予期せぬ出来事」。DVD第1集には、代表作、「南からきた男」を含む9話が収録されている。ブラックな趣きに、そこはかとないユーモアをからめた絶妙のテイストで日常に潜む狂気を描く作品集。
予期せぬ出来事 3枚組BOX [DVD]
ロアルド・ダール
ロアルド・ダールの奇妙な味わいの短編小説を映像化したテレビ・シリーズ「予期せぬ出来事」。DVD第1集には、代表作、「南からきた男」を含む9話が収録されている。ブラックな趣きに、そこはかとないユーモアをからめた絶妙のテイストで日常に潜む狂気を描く作品集。
予期せぬ出来事 3枚組BOX [DVD]
ロアルド・ダール
芥川隆行が野村胡堂の「銭形平次捕物控」より、「刑場の花嫁」を朗読したCDを聴く。話は単純だが、江戸の情緒や人情が細やかに表現され、味わいがある。
向田邦子の最後の作品集「男どき女どき」に収録された「鮒」「嘘つき卵」を、黒柳徹子が朗読したCDを聴く。「鮒」は、かつての愛人が家庭においていった鮒をめぐり、男の揺れる心を表現した作品。「嘘つき卵」は、なかなか子どもができない妻の心情を巧みに掬い上げた筆者最後の短編。いずれも、寸分の隙もなく構成された見事な作品。黒柳徹子が、敬愛してやまなかった向田邦子に手向けるように、しっとりと語り、余韻が残る。
芥川隆行が朗読する「西部戦線異状なし」のCDを聴く。第一次大戦の志願兵の日常をリアルに描いた小説を基にしている。芥川隆行の抑えた語りが、独特の叙情と寂寥感を生んでいる。
「木蓮の花許りなる空を瞻る」
絵描きが逗留した温泉場での情景や、不思議な女性「那美」との出会いを通し、芸術論が語られる夏目漱石の小説「草枕」。漢語調の韻律のうちに、懇々と溢れ出る豊富な語彙に圧せられる。古今東西の文化を語る豊穣な文章と、軽妙でユーモラスな会話が対照的で、様々な心持ちにさせてくれる。
ことに、情景描写が素晴しく、文が心に沁みる。絵画的趣きに満ちた名作。
宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」を熊倉一雄が朗読したCDを聴く。熊倉の生き生きとした朗読で、賢治の世界が豊かに広がる。
500冊以上の「勉強本」を検討した上で、ベストの勉強法を簡潔に提示した本。茂木健一郎、勝間和代などの著作を、「使えない」とザックザックと切っていく。そのざっくりとした語り口にひかれ、つい最後まで読んでしまう。
結局、導き出される結論は、けっこうシンプルなものばかりなのだが。勉強とは、そういうものかも知れない。
なお、ここでの「勉強」は、資格取得など、短期間に成果を出さなければならない「勉強」。本をじっくり味わう、行間を読むといったこととは無縁の話である。
江戸川乱歩の短編小説「人間椅子」「押絵と旅する男」を佐野史郎が朗読したCDを聴く。ゆっくりと、ぽつりぽつりと語る佐野史郎の口調が、乱歩の綴る奇怪な世界をじっくりと伝える。やや狂気を帯びた場面の描写などは、この読み手でなければこれほどうまく表現できないのではないか。
非現実でありながらも、心に迫る乱歩の文章の巧みさに改めて感嘆する。
人間椅子/押絵と旅する男 (新潮CD)
佐野 史郎
幸田露伴の「五重塔」を、日下武史が朗読したCDを聴く。絶妙の調子と間合いを持った、名人芸とも言える語りで格調高い文が読まれ、物語に引き込まれる。
明治の人々の細やかな人情の丁寧な描写が見事であり、それとの対比で、塔の建築を手がけることに惹かれた男の一途さがデモーニッシュな凄みを持って迫ってくる。
名文の韻律と格調は、名工による建築物のように時を経ても後世に残る。
山本周五郎の小説「ちゃん」を、名古屋章が朗読したCDを聴く。腕は良いが、仕事に恵まれない職人重吉を思う家族や知人たちを通し、下町の人情を細やかに綴った名編。名古屋章の暖かみのある語りが江戸の情緒と心の機微を豊かに表現している。
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