高崎市、少林山のだるま市は、1月6日の正午から翌7日の午後1時まで、夜を徹して開催される。
昨年は風が強くてたいへん寒かったが、今年はおだやかなので、6日正午少し過ぎに家族で自宅から歩いて行く。碓氷川の堤防から見える、快晴に白く映える浅間山が美しい。
国道18号側から、碓氷川にかかった鼻高橋を渡り、達磨寺に向かう。
石段を上がり、境内でお参りをする。帰りの順路には、だるまを売る店や屋台がずらりと並び、独特の風情がある。
「縁起だるまの少林山」と上毛カルタに歌われるだるま、マユは鶴、鼻から口ヒゲは亀をあらわし、福を呼び込むとされる。少林山周辺では、70軒ほどの家で年間150万個のだるまが生産され、全国の8割を占めるとのこと。
子どもたちは、行きだけでも結構歩いたので空腹。からあげやたこ焼きを買って食べ、りんご飴をなめながら歩き満足していた。
ちょっと歩けばすぐに「だっこして」と言っていた次男が、いつの間にこれほど長く歩けるようになったのかと、子どもたちの成長ぶりにあらためて気づいた。今日もひたすら食べ歩いている長男は、もう石臼のようで抱き上げることすらできない。
佐久スキーガーデン「パラダ」に家族で行く。上信越自動車道の佐久平PAに直結しているので、たいへん手軽に行ける。北パラダ・南パラダの2箇所があるが、南パラダは雪はほとんどなく、まだオープンしていなかった。無料のシャトルバスで北パラダに向かう。こちらも、あまり雪がなく、スキーができるゲレンデが1コースしかない状態。
子どもたちは、キッズランドでソリすべりをする。2年前には、ソリを怖がって乗れなかった次男も、今回は滑ることができ楽しめた。 いつもは動いているベルトコンベアーが、上の方まで雪がないために止まっていた。それでも、子どもたちはソリを持って何度も登り、茶色が混じる斜面の滑りに興じる。でっぷりとお腹が出てきた長男にとっては、運動になってかえって良かった。
天気の良い文化の日、群馬サイクルスポーツセンターに行く。秋山の空気にふれることと、家族の運動不足解消を兼ねての小旅行。
紅葉に彩られた北毛の自然が美しく、澄んだ空気の中、自転車で走るのはたいへん気持ちよい。
ただ、子どもたちはまともな自転車には乗りたがらず、車軸の中心がずれているのや、手でこぐ自転車など、変わり種の自転車をよくこいでいた。サイクル・モノレールなど、様々なアトラクションもあるが、多くは自力でこいで進むので、けっこう運動になる。
その後、高山村のぐんま天文台に行く。6時に駐車場に着いたが、あたりはすでに真っ暗になっていた。駐車場から500段以上ある階段を上り、天文台に向かう。途中は熊に襲われないように鐘を鳴らしながら進む。冷え込む空気の中で長い階段を上り、さながら除夜の鐘を聴きながらの初詣のようである。
山頂では、星空がたいへんに美しい。住まいの付近では、街の明かりで星があまり見えないが、ここでは空に無数の星があることを実感できる。
ドームに上がり、150cm反射望遠鏡で球状星団を見る。多数の点がゆらいでいる感じだが、銀河の端にある100万個以上の星の集まりとのこと。もうひとつのドームの65cm反射望遠鏡では、双子連星を見る。
展示も充実しており、子どもたちも興味を持って触れていた。再度訪れたいと感じる天文台だった。
天文台長、古在由秀氏の著作で、サイン入りの「天文台へ行こう」を買って帰る。
天文台へ行こう (岩波ジュニア新書)
古在 由秀
高崎哲学堂に家族で行く。高崎哲学堂は、市内の実業家であり地元の文化に多大な貢献をした井上房一郎(1893~1993年)氏の旧私邸。普段は開放されていないが、高崎デザイナーズアクト主催の企画展「ウェグナーに座ろう」が開催されていたので、中に入ることができた。
ハンス・J・ウェグナー(1914~2007年)は、デンマークの家具デザイナー。企画展では、邸宅の内外にある椅子に実際に座ることができた。見た目も美しいが、座ると実に心地よい。静かな環境音楽が流れており、いつまでも座っていたい気分になった。木の温もりに溢れた邸宅内も趣があり、ほんとうにくつろげる空間だった。
高崎哲学堂を出た後、隣にある高崎市美術館に行く。三沢厚彦氏による、木彫りの動物が多数展示されていた。ユーモラスな雰囲気がある動物たちに囲まれた空間を、子どもたちも楽しむ。壁に張り付いたヤモリなどの隠れキャラクターを探して喜んでいた。
台風一過で、高崎公園から眺望する観音山に沈む夕陽も美しい。やはり自然の造形は何にもまして心を和ませる。
様々なアートに触れることのできた快晴の日であった。
ハンス・ウェグナーの椅子100 (コロナ・ブックス)
織田 憲嗣 丸山 彰一 林 義夫
高崎市染料植物園の「夏休み親子草木染教室」に参加する。
高崎市染料植物園は、白衣観音を裏から望む丘陵にある、緑ゆたかなスポット。広大な敷地に樹木や花々をぬって遊歩道が敷かれている。実習会場は、園内の染色工芸館。
この日の実習には、8組ほどの親子が参加した。最初に、花壇からオレンジやイエローのマリーゴールドの花を摘む。つみとる量は、染めるものの重さと同じか、2倍とのこと。バケツいっぱいに入れられた花を持ち帰り、水と一緒になべで煮る。
染める煮汁を作っている間、ビニールひもや輪ゴムを使ってTシャツをしばる。しばったところが、白く残り模様となるのだが、ほんとうにイメージどうりに仕上がるのか分からないところが、ワクワクしてよい。
マリーゴールドを煮込んで濾した液は、赤茶色になっている。この液の中にTシャツを入れ、かきまわしながら煮る。コンソメスープを作っているようだ。
沸騰して10分かきまわしてから取り出し、媒染液に30分ひたす。媒染液は、色を定着させるためのもので、アルミから作ったものと、鉄からつくったものの2種類が用意された。媒染液により、色が違ってくる。
媒染したTシャツをよく水洗いした後、もう一度煮て染める。
Tシャツを水洗いし、しぼりを取ると、模様が浮かび上がる。鮮やかな黄色と、深みのあるオリーブ色の2種類の草木染Tシャツが出来上がった。
子どもたちは、自分たちで模様をつけたオリジナルTシャツに満足していた。次回の藍染めの実習にも参加し、おばあちゃんの巾着袋を作って敬老の日にプレゼントするようだ。
家族で旅行にゆく。佐久から国道141号線を南下し、清里方面に向かう。美し森に7時半頃に着く。展望台に登り来し方を仰ぐと、青空の下、幾重にも山並が連なり、ひときわ高く富士山のシルエットが見える。眼前には、八ヶ岳の濃い緑が迫る。青い空を区切る稜線が朝日にくっきりと映え美しい。
清泉寮のアイスクリームを久しぶりに食べる。ミルクの濃い味がたまらないが、すぐに溶けるので注意。次男は満足そうに口にする。長男は食べ始めてまもなく、クリーム部分をそっくり落としてしまった。
その後、野辺山宇宙電波観測所に行く。口径45mの電波望遠鏡のパラボラが、ひときわ目立つ。それよりやや小ぶりのミリ波干渉計も、山をバックに複数で連なる様は絵になる。
Tの字型に、多数ならぶ電波ヘリオグラムはかわいらしい。次男は、「パラロボ君」と勝手に名をつけて絵を描いていた。
45m電波望遠鏡のそばには、小さいが展示室もあった。電波望遠鏡の仕組みや成果、完成までの写真などが展示されていたが、入り口付近に、玉をころがせるブラックホールの模型があり、子どもたちはここにひっかかってしまった。長男は何度も玉をころがして喜んでおり、展示内容にはあまり目をとめる様子がなかった。次男は天井からぶら下がっている分子模型をなんだかわからないままスケッチをしていた。
昼食のあと、野辺山のSLランドで乗り物にのって遊ぶ。狭い敷地の中に、SLやゴーカート、電気自動車など、数種類の乗り物がある。見晴らしの良い場所にあり、電波望遠鏡のパラボラも見える。ここでのオススメは、スイスレーティッシュ鉄道。4人乗りのミニ車両で、運転中、両側にコスモスなどの花が迫り、意外とスリリングである。
小海から北相木村を抜けて、群馬県の上野村に抜けるぶどう峠を通る。ぶどう峠は、長野側の道はよく整備されているが、群馬に入ると道が途端に狭隘になる。カーブのきつさと長さは、半端ではない。全面舗装になっていた点が救いか。それでも、次男は気持ちが悪くなり、上野村工芸館に着くなりすぐに戻してしまった。子ども連れではちょっと無理な道。
上野村の川和自然公園内にスカイブリッジと不二洞がある。スカイブリッジは、山と山の間にかけられた歩行者用吊り橋で、全長225m、高さ90m。車で通った国道が、はるか下に見える。眺望は素晴しいが、橋がよく揺れるため、なかなかスリリングである。
不二洞は、関東一の規模を誇る鍾乳洞。所要時間40分。駐車場から入り口まで結構歩く。洞内も、最初は登りが続く。なかなか運動になる。
この日のちょうど22年前、1985年8月12日、日航ジャンボ機123便が御巣鷹山の尾根に墜落し、520名の犠牲者を出した。冥福を祈りつつ、上野村を後にした。
最近のコメント