自閉症だったわたしへ
幼少時より周囲とうまくつきあうことができず、傷ついてきた少女が自らの生い立ちと考えを赤裸々に綴った書。あまりに悲惨な幼児体験や次々に襲いかかる苦難が描かれているが、最後は理解のある人々との出会いで自らの生きる道を見出していく。
とらえ方や感じ方の相違で他とのコミュニケーションに悩む子どもたちが増えている現代、参考になる点が多い。
自閉症だったわたしへ (新潮文庫)
ドナ ウィリアムズ 河野 万里子
幼少時より周囲とうまくつきあうことができず、傷ついてきた少女が自らの生い立ちと考えを赤裸々に綴った書。あまりに悲惨な幼児体験や次々に襲いかかる苦難が描かれているが、最後は理解のある人々との出会いで自らの生きる道を見出していく。
とらえ方や感じ方の相違で他とのコミュニケーションに悩む子どもたちが増えている現代、参考になる点が多い。
自閉症だったわたしへ (新潮文庫)
ドナ ウィリアムズ 河野 万里子
理科教育の理論と、実践事例を簡潔にまとめた書。学生や初任者には参考になる点もあるのではないか。
理科授業の理論と実践―子どもの「すごい!」を引き出す手作り授業
宮下 治 益田 裕充
NHK大河ドラマ「真田丸」第3話は、「策略」。
真田昌幸は、武田家が滅んだ後の情勢をにらみ、地方豪族と会合を持つが話し合いはまとまらない。生き残るために、上杉家に書状を出す策略を図る。
三谷幸喜テイストのコミカルな描写をからめつつ、一回のストーリーをきっちりとまとめているのはさすが。一人一人のキャラクターを浮き上がらせつつ、歴史のうねりやそれぞれの駆け引きを描き、密度が濃い。次回が待ち遠しくなるドラマになっているのが嬉しい。
NHK大河ドラマ「真田丸」第2話は、「決断」。新府城から岩櫃城を目指す真田一行の道中が、コミカルな場面と緊迫感のある場面を織り交ぜて描かれる。
焼け落ちた新府城にやってきた徳川家康と本多正信のやりとりがいい。「武田が滅びたのはめでたいことじゃが、ちっとも嬉しくないのはなぜだ。」と内野聖陽演じる家康が言う。内野聖陽はNHK大河ドラマで武田家の軍師、山本勘助を演じていた。「風林火山」は脚本がよく楽しませていただいたが、戦国時代で「これぞ大河」と言えるのは、あれ以来なかったのでは。近藤正臣演じる本多正信も何を考えているのか分からない策士らしさがよい。
あっという間の45分であり、昨年度「花燃ゆ」と時の流れがまったく違う感じを受けた。
NHK大河ドラマ「真田丸」第1話は、「船出」。ほんとうに待ち遠しかった。
昨年の「花燃ゆ」は、脚本がグダグダで見るのが苦行に近かった。いよいよ三谷幸喜の脚本で大河にふさわしいドラマに出会えるのではという期待に膨らんでいた。
第1話は、すぐにストーリーに引き込まれていった。武田信玄なき後の衰亡ぶりがごく自然に描かれていた。武田勝頼を平岳大が演じ、哀感がにじみ出ており初回の物語に厚みを与えた。
真田の人々や、これから対峙するであろう他国の面々も個性豊かで、これからの展開が楽しみである。久しぶりにわくわくする大河ドラマになりそうである。
物理・生物など、自然科学系の学部・学科に対応した小論文参考書。
意見を記述する小論文の参考書はたくさんあるが、データや図表をもとに客観的な記述を求める問題に対応した小論文の参考書はほとんどない。本書は、ノウハウにとどまらず、科学的な視点を培おうとする姿勢が根底にある。志をもった稀少な参考書。
その人らしく生きることを支援する医療を実践している諏訪中央病院院長、鎌田實氏の「がんばらない」。
がん患者とそれを支える家族たちの姿を、温かみのある視線で描く。また、地域の人々と共にある医療を実現するために、様々な取組を行う。著者は、チェルノブイリの原発事故で被害にあった子どもたちを救うため現地に向かう。患者に真に寄り添う看護師が育っていく姿も綴られる。
ひとつひとつのエピソードが心にしみる。あたたかい医療を目指す著者の言葉は、教育を考えるうえでも大切な中身をもっている。
がんばらない (集英社文庫)
鎌田 實
気がついたら、このブログが10年を越えていた。1日1つのペースで何かを紹介する試みも、何とか続けることができ、記事の数も 3800 になった。
この2015年の中で、特に感銘を受けたものを振り返ってみたい。
時代小説: 一夢庵風流記
前田慶次郎の生涯を掘り起こし、人生の機微に通じた懐深いエンターテイメントに昇華させた力量には脱帽する。本を読む楽しさを真に与えてくれた。隆慶一郎という作家を知り、ほんとうに良かった。
古典作品: アンナ・カレーニナ
古典文学の凄みと深みを知ることができ、今年で一番意義深かった読書体験。
ドラマ: 64(ロクヨン)
NHK土曜ドラマとして、5回シリーズで放送された。その密度の濃さと緊迫感は圧巻。最近のドラマにない感覚であった。横山秀夫の原作も素晴らしく、その良さを凝縮し見事に映像化していた。同時期にやっていた大河ドラマのフヌケた脚本と対照的であった。
下町ロケットも楽しかったが、ドラマとしての完成度として64をベストに掲げたい。
音楽: 宇野誠一郎 作品集
「ふしぎなメルモ」「一休さん「ねえ!ムーミン」「小さなバイキングビッケ」「やまねずみロッキーチャック」など、宇野誠一郎のアニメ音楽には印象に残るものが多い。そこはかとない抒情と実験精神。生き生きとしたリズムとメロディは歌い継がれる魅力を持っている。
歌手: のこいのこ大全
ひらけ!ポンキッキの曲は、今でも鮮烈に覚えているのだが、この人の役割が大きい。コマーシャルでも実に多くの場面でこの人の声にふれていた。
役者: 熊倉一雄さん
この方も本当に得難い役者であった。その存在感は、幾多の作品の中にとどめられていく。
映画: 東京物語 雨月物語 切腹 新幹線大爆破
最近の作品ではこれというものがなかった。やはり昔の作品が良い。様式美と緊密な脚本。その世界に誘い自然と浸ることができる。
アニメ: 食戟のソーマ
これは楽しかった。サービス精神満載。「ごちそうさまでした。」
旅: 岩地海水浴場
長男・次男ともに受験を控え、あまりおでかけすることが少ない年であった。その分、伊豆への旅行が輝いた思い出になった。
とりとめなくあげたら、エンターテイメント性の高いものが多くなった。人生肩肘張らず、楽しんでいこうという気持ちが強くなったためだろうか。これからもいい作品に出会い、伝えることを続けたい。
垣根涼介の「ワイルド・ソウル」は、下巻において怒濤のストーリーが繰り広げられる。
ブラジル入植に関わった人々が集い、壮大な計画を実行していく。先の読めない展開、様々な人情の機微、そして、スピード感溢れる対決。ページをくるのがもどかしいほど面白い。
爽快な読後感をもつ、極上のエンターテイメント。
ワイルド・ソウル(下)(新潮文庫)
垣根 涼介
垣根涼介の小説「ワイルド・ソウル」は、ブラジルに渉った日本人移民の悲劇をベースにしたサスペンス。上巻では、日本政府の募集に応じ、夢を求めて密林にわたったものの、絶望と貧困にさいなまれる人々姿と、その後の人々の様子が描かれる。
読書の醍醐味を与えてくれる傑作小説。
ワイルド・ソウル 上 (新潮文庫)
垣根 涼介
最近のコメント